オキシメトリーとALS患者の気管切開適応

ALS患者の気管切開適応考察したところ、喉頭機能が重要であり、カフマシーンの重要性が示唆されました。

Oximetry and Indications for Tracheotomy for Amyotrophic Lateral Sclerosis
http://www.chestjournal.org/cgi/content/abstract/126/5/1502
Chest. 2004;126:1502-1507.
夜間低換気症状がある患者にNIVを処方、cough peak flow <300L/minの補助を行う場合はオキシメーターを処方し、MAC“カフマシーン”にてベースラインの酸素飽和度低下(<95%)を予防し対策を行う。
NIV+MACの組み合わせで正常化できるベースラインの酸素飽和度の減少数や正常化時間を記録。急性呼吸不全や気管切開・死亡を記録

NIVやMACで補正できない低酸素飽和度が2ヶ月で高まる場合、気管切開や死亡が多くなる。NIV+MACの長期使用、気管切開の回避は吸気・呼気筋力というより喉頭の機能に依存する。
――――――――――――――――――――――――――――――――

日本の呼吸器科医は神経筋疾患を見ることが少ないのですが、諸外国ではむしろ呼吸機械が重症筋無力症を含め神経筋疾患は呼吸器科のお仕事ですので興味を持っております。
日本で、脊損や神経筋疾患患者に、NIVやMACが果たして普及しているか?

“呼吸障害に対しては、鼻マスクによる非侵襲的な呼吸補助と気管切開による侵襲的な呼吸補助がある。”
http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/021_i.htm
とのみ書かれているところを見ると・・・いささか疑問

咳嗽反射・喉頭機能の温存がいかに重要かを再評価する必要がありますね。

<MAC:カフマシーン>
イン-エクサフレーター=In-Exsufflator、別名カフマシーン=cough machine
ニューモデルのカフアシスト=cough assist;JH Emerson Co.社製;Mass州Cambridgee.g.
http://www.jhemerson.com/coughassist.htm


酸素分圧・炭酸ガス分圧だけをみるな、ということが、教訓でしょうか?


COPDでもるいしょう状態がひどく、咳嗽困難な事例もあります。日本の特異とするACE阻害剤誘発咳嗽は有効ではないのかとも・・・

by internalmedicine | 2004-11-17 16:10 | 呼吸器系  

<< 往診・・・ノスタルジー的 高血圧治療中左室肥大を考慮すべ... >>