超音波による急性虚血性卒中の治療・・・といっても 補助的
2004年 11月 18日
tPAの薬物動態の改善効果が主体のような感じですが・・・
集束超音波装置や内視鏡的方法ではなく比較的簡便なので興味深いです。
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急性虚血卒中に対する超音波による血栓溶解治療(第二相研究)
Ultrasound-Enhanced Systemic Thrombolysis for Acute Ischemic Stroke
NEJM Volume 351:2170-2178 November 18, 2004 Number 21
http://content.nejm.org/cgi/content/short/351/21/2170
45mm以上の深さで経頭蓋下のドプラー装置で、中大脳動脈領域の仮想的閉塞近位部(M1)と仮想的遠位部(M2)の30-45mmのところをinsonationとする。
126例の患者に63名に連続ultrasonographyと対照として63名にプラセボ
t-PAボーラス投与後2時間以内に完全再開通・ドラマティックに臨床症状改善を31例に見いだした(49%)、対照は19例(30% P=0.03)
24時間後ターゲット群は44%、対照群は40%(p=0.7)
1ヶ月後42%、対照群29%(P=0.20)
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論評をみてもよくわかりませんでした。m(_ _)m
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著者たちの治療した卒中のタイプは主に急性の血栓塞栓で、多くがcarotid分岐部を起源とするもので、心臓や上行大動脈や大動脈弓近位部を塞栓源としないもの
t-PA投与時間を伸ばしたり、血栓解除を促進する方法について検討している。
1970年代前半に特別にデザインされたカテーテルのプロトタイプが現れ、超音波エネルギーを再疎通法として使用する試みが続けられてきていたのだ。以降、カテーテルベースの方法が改良されてきている。cavitationというプロセスで、血管壁を傷つけず急性血栓を除去する。超音波は液体で投与されるときは十分なamplitudeで、小さい気泡を形成してガスが吸収される。この気泡が振動し、エネルギーを吸収し、消失する。侵襲的カテーテルやいくつかの経皮的デバイスがcavitationを生じるに十分なエネルギーを有するものが現れた。レーザーより超音波の方が組織障害を生じがたい
ガス状気泡が血栓にトラップされ、cavitationの起因となる閾値に合致するright sizeになる可能性。局所的にはガスやフィブリン網の対称性の穴を形成し、t-PAを血栓の中に浸透させる働きがある
低エネルギー域では超音波が液体の運動性を高め、microstreamingと呼ばれる現象を生じる。血栓閉塞に対抗し、t-PAの混合に役立つ可能性。
若干高いエネルギーの場合は、直接t-PAとフィブリン網との結合に関わる可能性
by internalmedicine | 2004-11-18 14:58 | 動脈硬化/循環器