筋萎縮性側索硬化症の病的メカニズム:ユビキリン2遺伝子異常

筋萎縮性側索硬化症治療へのブレークスルーなどと報道しているメディアもあるようだ。


Mutations in UBQLN2 cause dominant X-linked juvenile and adult-onset ALS and ALS/dementia
Nature (2011) doi:10.1038/nature10353
Received 20 November 2010 Accepted 05 July 2011 Published online 21 August 2011



筋萎縮性側索硬化症:Amyotrophic lateral sclerosis (ALS) は、麻痺性、致命的となる、脳脊髄の運動神経変性症で、多くは孤発性で、5-10%が家族性。
superoxide dismutase 1 (SOD1)、TAR DNA-binding protein (TARDBP, also known as TDP43)、fused in sarcoma (FUS, also known as translocated in liposarcoma (TLS))が、従来の家族性ALSで、30%ほど関与。また、いくつかの他の遺伝子の変異がALSおよびALKALINE様症候群のまれな原因として報告されている。家族性ALSの残りの原因と他の大部分の弧発性ALSの大部分は不明のまま。

ALS原因遺伝子同定の広汎な研究に関わらず、ALSの運動神経変性の大元の病的メカニズムは大部分曖昧のまま。認知症は、通常、前頭葉側頭葉型で、ALS症例の一部で生じる。
ALSと認知症は胸痛のaethiologyと病態を持津かどうか不明であった。

ubiquitin-like protein ubiquilin 2をencodeする、UBOLN2の変異で、これは遺伝性で、染色体X-link ALS及びALS/認知症の原因となり得る。

ALS症例の脊髄、ALS/認知症の脳に、UBQLN2変異の有無両方のケースで、新しいubiquilin2の病理を見いだした。

Ubiquilin 2はubiquilin familyのメンバーで、ユビキチン化蛋白変性の調整の部分に関わる。
UBQLN2の変異がたんぱく変性につながることが示された。
ubiquilin 2の異常と、蛋白変性経路の欠如、異常たんぱく凝集、神経変性の関連が示され、これが今後の、一般的な病的メカニズム解明、薬物的介入に進むことを期待したい。




だじゃれを言いたくなる名前だなぁ・・・”ユビキリン”

by internalmedicine | 2011-08-23 10:44 | 運動系  

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