病原性大腸菌・下痢関連溶血性尿毒症症候群への血漿交換療法の効果

血漿交換の有効性とともに、神経所見の有無が重要という考えが記述されている。

Colic E, et al "Management of an acute outbreak of diarrhoea-associated haemolytic uraemic syndrome with early plasma exchange in adults from southern Denmark: an observational study"
Lancet 2011; DOI: 10.1016/S0140-6736(11)61145-8.

HUSという稀なためランダム化研究確認すべきだが、難しく、この知見を参考にせざる得まい。

ドイツを主体とした、HUS流行、O104:H4を原因としたものはいわゆるShiga toxinとβ楽多無菌耐性という2つの問題で問題となった。


2011年5月25-28日、5名の62歳年齢中央値(44-70)歳の 大腸菌O104:H4 HUS合併下痢症患者
血漿交換後、血小板数、GFRは増加し、LDHは減少、神経学的所見の改善が見られた。

血小板数 : 31 x 109 →  200 x 109超(正常範囲)
LDH : 中央値 1,220 U/L → 500未満へ
GFR : 中央値 35 ml/min/1.73m2 → 60近くへ

血性下痢から血漿交換開始までの時間と、LDH濃度減少と逆相関(p=0.02)
同様のパターンが血小板数でみられた。
7日め(5-8日)で神経学的所見正常


神経障害を有する成人で血漿交換の適応だろうと筆者ら
ただ、どの状況での血漿交換施行が適切化は臨床トライアルがない。



夜間発作性ヘモグロビン尿治療薬であるモノクローナル抗体 eculizumab (Soliris)が治療薬候補とされている。
参考:発作性夜間血色素尿症に対するEculizumab(C5補体へのモノクローナル抗体)2009年 01月 14日

by internalmedicine | 2011-08-25 09:56 | 感染症  

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