抗うつ薬シタロプラム:安全性アナウンス ・・・ QT延長
2011年 08月 26日
High Doses of Citalopram Linked to Abnormal Heart Rhythms
Antidepressant's Label Updated With New Dosage, Usage Recommendations
citalopramはQT延長を用量依存的に影響を与え、40mg/日以上用いるべきでない
・先天性QT延長で用いるべきでない
・うっ血性心不全、徐脈、低カリウム血症、低マグネシウム血症の可能性のある患者では、torsades de pointes発症リスクが高い。
・うっ血性心不全、徐脈、QT延長を来す薬剤併用患者では頻回な心電図モニタリング必要
・citalopramz投与前に低カリウム血症、低マグネシウム血症を補正すべき、電解質は臨床的適応があるならモニターすべき
・肝障害、60歳以上、CYP2C19患者では最大20mg/日とすべき
・軽度・中等度腎障害というだけでは補正必要ない
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QT Drug Lists by Risk Groups
http://www.qtdrugs.org/
http://www.azcert.org/medical-pros/drug-lists/list-01.cfm?sort=Brand_name
上記 記載薬剤
Chloroquine :クロロキン
Moxifloxacin :モキシフロキサシン塩酸塩(アベロックス)
Sotalol: ソタロール塩酸塩
Clarithromycin :クラリスロマイシン
Quinidine :キニジン
Amiodarone :アミオダロン
Ibutilide :イブチリド(クラスIII抗不整脈薬)
Methadone :メタドン(メサゾン:日本未発売)
Erythromycin :エリスロマイシン
Haloperidol :ハロペリドール
Halofantrine :ハロファントリン(抗マラリア 日本未発売)
Astemizole :アステミゾール(商品名 ヒスマナール)
Droperidol :ドロペリドール
Probucol :プロブコール(商品名 シンレスタール、ロレルコ)
Thioridazine :チオリダジンと(ドーパミンD2受容体遮断薬。フェノチアジン誘導体(ピペリジン系)
Domperidone :ドンペリドン(商品名 ナウゼリン)
Pentamidine :ペンタミジン(商品名 ベナンバックス)
Disopyramide :ジソピラミド(商品名 リスモダン)
Pimozide :ピモジド(商品名 オーラップ)
Levomethadyl :レボメタジル
Procainamide :プロカインアミド
Cisapride :シサプリド (商品名 アセナリン、リサモール)
Terfenadine :テルフェナジン
Mesoridazine :メソリダジン
Chlorpromazine :クロルプロマジン
Dofetilide :ドフェチリド(クラスIII抗不整脈薬)
QT 延長症候群を引き起こす薬物の大半は,主薬効に関係なく,心臓の再分極に重要な役割を担う K 電流の IKrを直接抑制する共通の性質を有している。
しかし,薬物により QT 間隔が延長すること自体が危険という認識は誤りである。
回避しなければならないのは,QT 間隔が延長することにより発生する致死性不整脈であり,これは催不整脈基質(=substrates;再分極過程の空間的ばらつきの増大)と誘発因子(=trigger;再分極過程の時間的ばらつきの増大に引き続く R on T 型の心室性期外収縮)の両者により惹起される。
http://journal.chemotherapy.or.jp/full/05404/054040303.pdf>
Drug-Induced Prolongation of the QT Interval
Dan M. Roden, M.D.
N Engl J Med 2004; 350:1013-1022March 4, 2004
【禁忌:QT延長を起こしやすい患者】又は対象薬の【その他の注意】項目での規制
http://www.jah.ne.jp/~kako/cgi-bin/te_disp.cgi/~kako/kinki/log.html?1&heiyokin2&811
β‐遮断薬を除く抗不整脈薬
本剤とテルフェナジンとの併用によりQT延長,心室性不整脈を起こしたとの報告があるので本剤投与中はテルフェナジンを併用しない。また,本剤とアステミゾ-ルを併用するとQT延長,心室性不整脈を起こすおそれがあるので本剤投与中はアステミゾ-ルを併用しない
ノルペース,リスモダン(ジソピラミド)
他の抗不整脈薬(リン酸ジソピラミド)でテルフェナジンとの併用により,QT延長,心室性不整脈を起こしたとの報告がある
ワソラン錠(塩酸ベラパミル)
ヘルベッサー(塩酸ジルチアゼム)
ピメノール(塩酸ピルメノ-ル)
タンボコール錠(酢酸フレカイニド)
ベプリコール錠(塩酸ベプリジル)
プロノン錠(塩酸プロパフェノン)
アジマリン
アスペノン(塩酸アプリンジン)
キシロカイン(リドカイン)
アンカロン錠(塩酸アミオダロン)
サンリズム(塩酸ピルジカイニド)
アミサリン(塩酸プロカインアミド)
メキシチール(塩酸メキシレチン)
シベノール(コハク酸シベンゾリン)
利尿薬(~併用しない)
ルネトロン(ブメタニド)
ラシックス(フロセミド)
エタクリン酸(エデクリル錠)
ダイアート錠(アゾセミド)
ソルダクトン(カンレノ酸カリウム)
アルダクトン(スピロノラクトン)
フルイトラン(トリクロルメチアジド)
メフルシド(バイカロン錠)
ノルメラン(メトラゾン)
ハイグロトン錠(クロルタリドン)
エンデュロン(メチクロチアジド)
ナビドレックス錠(シクロペンチアジド)
ダイクロトライド(ヒドロクロロチアジド)
ベハイド(ベンチルヒドロクロロチアジド)
ペンフルチジド(ブリザイド錠)
ロンチル(ヒドロフルメチアジド)
エシドライ
ダイクロトライドS錠
ベハイドRA錠
トリテレン(トリアムテレン)
ピレタニド(アレリックス)
ナトリックス錠(インダパミド)
イソバイド(イソソルビド)
ダイアモックス(アセタゾラミド)
向精神神経薬(~併用しない)
フェノチアジン系、その他
クレミン(塩酸モサプラミン)
ノバミン(ゾテピン)
ハロマンス注,ネオペリドール注(デカン酸ハロペリド-ル)
ノバミン(プロクロルペラジン)
ニューレプチル,アパミン(プロペリシアジン)
メレリル(塩酸チオリダジン)
プシトミン(ペラジン)
ピーゼットシー,トリオミン,トリラホン(ペルフェナジン)
フルメジン糖衣錠,フルデカシン注(フルフェナジン)
トロペロン(チミペロン)
セレネース,ハロステン,リントン(ハロペリド-ル)
ルバトレン(塩酸モペロン)
インプロメン(ブロムペリド-ル)
プロピタン(塩酸ピパンペロン)
スピロピタン(スピペロン)
オーラップ(ピモジド)
クロフェクトン(塩酸クロカプラミン)
デフェクトン(カルピプラミン)
トリフロペラジン(マレイン酸トリフロペラジン)
コントミン,ウインタミン(クロルプロマジン)
ベゲタミン錠
レボトミン,ヒルナミン(レボメプロマジン)
三環系・四環系抗うつ薬(~併用しない)
アンプリット錠(塩酸ロフェプラミン)
アナフラニール(塩酸クロミプラミン)
キシロカイン(リドカイン(内科的使用)
スルモンチール(マレイン酸トリミプラミン)
トフラニール,(塩酸イミプラミン)
アモキサン(アモキサピン)
トリプタノール(塩酸アミトリプチリン)
プロチアデン錠(塩酸ドスレピン)
ノリトレン錠(塩酸ノルトリプチリン)
ルジオミール錠5(塩酸マプロチリン)
テトラミド錠(塩酸ミアンセリン)
マレイン酸セチプチリン(テシプール錠)
プロブコ-ル(~併用しない)
シンレスタール,ロレルコ
シサプリド(アセナリン等)
スパルフロキサシン(スパラ)
マクロライド
ジョサマイシン(~報告がある)
保険者側も、QT延長薬剤がこんなにあふれてるんだから、馬鹿みたい心電図査定などせずともよさそうなものだが・・・
降圧剤を含む利尿剤が盲点・・・
アベロックスがぱっとせず、クラビットが相変わらず売れる理由が分かる気もする・・・
by internalmedicine | 2011-08-26 10:16 | 動脈硬化/循環器