睡眠障害と高血圧:徐波睡眠減少が主因! 睡眠時間・睡眠分断・睡眠呼吸障害は脇役?
2011年 08月 30日
Decreased Slow Wave Sleep Increases Risk of Developing Hypertension in Elderly Men
Maple M. Fung et. al.
the Osteoporotic Fractures in Men Research Group
HYPERTENSIONAHA.111.174409 Published online before print August 29, 2011, doi: 10.1161/HYPERTENSIONAHA.111.174409
睡眠と心血管の関連の重要性は増加し、睡眠呼吸障害 sleep-disordered breathing 、睡眠時間、睡眠の中身が代謝や神経ホルモン系に関して影響を与えている可能性があるが、高血圧発症を同時性に睡眠特性とともに評価した報告はなかったという筆者ら。
65歳以上の高齢者(75.1±4.9)、784の地域居住、自宅PSGにて高血圧を有さない研究( Outcomes of Sleep Disorders in Older Men Study)対象者たち
2003–2005から2007–2009で、784名の高齢者のうち243名が平均 3.4年フォローアップで高血圧のクライテリア
非補正解析にて、高血圧発症は、低酸素血症、睡眠ステージN1、N2の増加、N3(徐波睡眠:SWS)の減少
年齢、非白人、研究場所、BMI補正後、高血圧発症はSWS比率と相関 (最小v最大4分位 比SWS: 1.83 [95% CI: 1.18 to 2.85])
この相関に関して、睡眠時間、睡眠分断化、睡眠呼吸障害頻度補正後も減衰認めず
SWSの比率と高血圧発症には、逆相関が見られ、それは、睡眠時間や分断化、睡眠呼吸障害と独立した要素である。SWSの減少が高齢者高血圧と関連する主な原因と現時点では考えられる。
テレビなんかで、7時間ほどの睡眠が適切とか・・・配慮なく放送されると、高齢者などは7時間睡眠をとらないといけないと思い、強迫的になり、それが睡眠障害の訴えとなり、無用な睡眠薬処方など出され、睡眠薬による筋力低下に基づく転倒・転落事故、せん妄などの悪化を生じる・・・など悪影響を観察することがある。
高血圧と関連するのは、原因なのか結果なのかは不明だが、睡眠時間そのものでなく、睡眠の質の問題であることが明らかになった。
by internalmedicine | 2011-08-30 14:33 | 医療一般