セサミンはCYP、COMTに影響を与えるのに・・・相互作用文献無しとする健康食品データベース
2011年 09月 17日
ここの会社は”セサミン”というのをごり押ししいるようだ。このセサミンに、”いわゆる抗酸化作用”のあるとされるビタミン類を加えて・・・サプリメントとして販売してるようだ。
このセサミンに関し、気になる報告をたまたま見つけた。
Sequential Metabolism of Sesamin by Cytochrome P450 and UDP-Glucuronosyltransferase in Human Liver
Drug Metab Dispos September 2011 39:1538-1545
で、結語の一文に引っかかりを覚える・・・
”we concluded that CYP2C9, UGT2B7, and COMT played essential roles in the metabolism of sesamin in the human liver. ”
どういうことかというと以下の薬剤との相互作用が疑われるのだ!
CYP2C9関連
・基質:NSAIDs、フェニトイン、フルバスタチン、SU剤、他抗糖尿病薬(ナテグリニド、ロシグリタゾン)、ARB(イルベサルタン、ロサルタン)、ワルファリン、ミコナゾール、シルデナフィル、アミトリプチリン、フルオキサチン、タモキシフェン、トラセミドなど
・阻害:フルコナゾール、サルファ剤、バルプロン酸、銀杏やSt. John's Wort成分amentoflavone、アミオダロン、他 抗ヒスタミン剤、クロラムフェニコール、イソニアジド、ロバスタチン・・・
・誘導:リファンピシン等
COMT関連はドパミン関連薬剤との関連 たとえばパーキンソン病治療薬
だが、健康食品データベース(http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail95.html)では、”医薬品等との相互作用 :調べた文献の中で見当らない。”と書かれている
CYP2C9やCOMTと関連するというなら、相互作用がないはずがないのだが・・・という疑念を抱く。
少なくとも相互作用を示唆する報告は存在する・・・故意なのか、怠慢なのか知らないが、薬物相互作用に関する話だから、調査に緊急性を要する話だと思う。
by internalmedicine | 2011-09-17 10:44 | くそ役人