米国:心不全治療 保険カバーにより薬剤処方に影響され、予後に影響を与えている

すべてが保険カバーだけの問題ではないのだろうけど、経時的措置により心不全への一般的治療を制限した場合、結局は、長期入院を増やし、ネットでのコスト増加をもたらす。



Payment Source, Quality of Care, and Outcomes in Patients Hospitalized With Heart Failure
J Am Coll Cardiol, 2011; 58:1465-1471, doi:10.1016/j.jacc.2011.06.034

非保険群はβ遮断剤(補正オッズ比 [OR]: 0.73; 95% 信頼区間 [CI]: 0.62 - 0.86)、ICD(OR: 0.73; 95% CI: 0.61 - 0.87)、心房細動への抗凝固療法(OR: 0.73; 95% CI: 0.61 - 0.87)を受けてる比率が低い

同様に、メディケイド群でも少ない
β遮断剤(OR: 0.86; 95% CI: 0.78 - 0.95) 、ICD (OR: 0.86; 95% CI: 0.78 - 0.96)

ACE阻害剤やARBやβ遮断剤はメディケア群での処方率少ない  (OR: 0.89; 95% CI: 0.81 - 0.98)

メディケア、メディケイド、非保険群では入院期間長い

メディケイドでは入院死亡率補正比率が高い(OR: 1.22; 95% CI: 1.06 - 1.41) ことが知られ、被保険者の収縮期心機能低下が見られる。




ご承知のごとく、日本のマスコミは米国急性期・先進医療ばかりに焦点を与えていたが、昨今はホントに問題が多い米国の医療制度に関して、オバマ大統領の米国医療制度の改革に言及せざる得なくなり、問題点があることは日本でも周知となっている。

日本の財務省は、財界とともに、やはり米国医療制度へ移行したがっているようだし・・・

日本では関係ないと思うだろうが・・・私の住む地域では生活保護者への行政からの強権的査定が行われつつある。通常の社会保険で許可されるはずの薬剤への査定や、具体例を示さない要否意見記載の多項目記載の要求など・・・TPPを待たず、日本の医療制度は米国化してる実感を日常臨床で感じている。

by internalmedicine | 2011-09-20 08:37 | 動脈硬化/循環器  

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