メタアナリシス・システマティックレビュー:うつと卒中

自己報告うつは卒中リスクを約35%増加させるというINTERSTROKE studyと一致した報告
関連:INTERSTROKE:10のリスク要素で卒中の90%説明可能 2010年 06月 21日


心血管リスクを増加させる不健康行動との関連、神経内分泌・免疫・炎症作用、それと高血圧・糖尿病が関連など様々なメカニズムが考えられる。
治療薬としての抗うつ薬が卒中リスク増加に寄与してる可能性もあり、疾患重症度やcausal associationの検討が今後必要だろう。

Depression and Risk of Stroke Morbidity and Mortality
A Meta-analysis and Systematic Review
An Pan et. al.
JAMA. 2011;306(11):1241-1249.

2名のレビュー者がベースラインのうつ状態、卒中リスク推定、研究の質、うつと卒中評価法について抽出
ハザード比(HRs)は、fixed-effectあるいはrandom-effects modelで行った。
相関は、被験者・研究特性毎のサブグループで検討
出版バイアスはfunnel plotsやBegg testで評価

28の前向きコホート研究(317540名被験者)、フォローアップ期間2-29年の卒中症例8478
プール化補正HRsは 卒中すべて 1.45 (95% CI, 1.29-1.63; P for heterogeneity <.001; random-effects model) 、致死的卒中 1.55 (95% CI, 1.25-1.93; P for heterogeneity = .31; fixed-effects model) (8 studies)、虚血性卒中 1.25 (95% CI, 1.11-1.40; P for heterogeneity = .34; fixed-effects model) (6 studies)

うつ関連推定絶対リスク差は、10万人年あたり、卒中全体で106例、虚血性卒中 53例、致死的卒中 22例

うつと卒中全体リスク増加は、多くのサブグループで一致した所見である


修正しうるリスク要素としては高血圧が一番という・・・INTERSTROKE研究
一方、糖尿病強化治療って必ずしも小血管疾患リスク抑制出来てない・・・日本のメタボ優先厚労省方針って・・・

by internalmedicine | 2011-09-21 08:13 | 精神・認知  

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