膵臓β細胞若返り:PDGFおよびその受容体が鍵を握る
2011年 10月 13日
Hainan Chen et. al.
Nature (2011) doi:10.1038/nature10502
ヒトは加齢とともに、β細胞の分裂能、新しいβ細胞数も減少する。再生能力は10-12歳以降衰退し、β細胞が破壊されたら、そのまま糖尿病となる。
スタンフォード大学の研究者たちが、再若年化の可能性につながる加齢関連の能力減退の経路を見いだした・・・というメディア報道。
PDGF ( platelet derived growth factor)とその受容体は、β細胞の核内の2つの蛋白濃度を左右する難解な経路を介して細胞分裂開始。若年マウスで、PDGFはβ細胞表面の受容体と結合し、細胞分裂調整蛋白の濃度を調整性に働く。一方老いたマウスでは、PDGF受容体を喪失し、加齢関連変化によりβ細胞の分裂を抑制する。
さらに、筆者らは、人工的にPDGF受容体を増加させることで、β細胞分裂能回復し、新細胞増殖性に働く。
ヒトの細胞でも同様に子の加齢関連β細胞増殖経路が存在することを示した。
ただ、PGDFによる若年ヒトラ氏島β細胞増殖は発見されたが、成人ヒトラ氏島β細胞はPDGF受容体減少レベルと対応していないのが気にかかる。
最近、他方法で加齢β細胞の分裂能改善研究を行ったが、挑戦段階。増殖してもその細胞がβ細胞としての機能を失っている可能性があるとのこと。
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膵臓ラ氏島β細胞増殖能再獲得・若返りへのとっかり判明の段階で、まだまだ・・・
by internalmedicine | 2011-10-13 08:47 | 糖尿病・肥満