”「社会恐怖医療化仮説」の否定”と、”恥ずかしがり と 社交恐怖 は違う!”
2011年 10月 19日
こども・青年の”社会恐怖”の医療化という側面を検討したもので、結論から言えば、「社会恐怖医療化仮説」を否定したことになるらしい
Shyness Versus Social Phobia in US Youth
Burstein, et al.
Pediatrics 2011; peds.2011-1434
病的範疇でない”shyness"が、社会恐怖という病的状態として、診断的にみなされてしまってる状態を指摘
1)国家的なサンプルで、shynessの頻度と社会恐怖の頻度を調査
2)両者の程度と、社会経済状況、機能障害、精神疾患合併調査比較
3)処方率比較
13-18歳の1万名あまりの子供の国家的調査、対面調査
うち、12%ほどが生涯において”社会恐怖”診断クライテリア一致。
社会恐怖の子供はrole impairmentが有意に多く、不安障害、感情、行動、薬物使用などの疾患を含む精神疾患を合併しやすい。薬物に関しては、処方されるべき同世代の状況より多いとは言えない。
NIMH: Science Update • October 17, 2011
National Survey Dispels Notion that Social Phobia is the Same as Shyness
社会恐怖とは、日々の社会生活・パーフォマンスが要求される状況で、圧倒的な不安と過剰な自意識により特徴づけられる不安を主とした不具合を生じる疾患。薬物治療が広がる一方で、無理矢理”医療化”された側面があるのではないかと・・・
上記論文は、そういう批判を払拭するための報告という側面があるようだ。
"medicalization"という言葉・・・更年期医療化ってのをよく聞く。
日本には漢方なるものが盛んなため、医薬品産業主導による疾患のねつ造?には比較的寛容な国なようだ。
更年期医療へのホルモン補充療法ごり押しに関して、menopause medicalization、climateria medicalizationという表現は一時期とりあげられた。だが、日本では再び日本産婦人科学会の幹部クラスのひとたちが変化球を準備しメディアなどで喧伝し、medicalizationをもろに・・・
不眠症だって、medicalizationの側面がある・・・
薬を“使わんがため”の疾患概念なんてあってはならない。
医療周辺の一次予防に関してまでmedicalizationが及びつつある現状・・・
by internalmedicine | 2011-10-19 07:32 | 精神・認知