COPD:インダカテロール vs チオトロピウム  ・・・ 毒 v 毒? 

市販された、オンブレス(一般名インダカテロール)吸入ってのは、”インダカテロール吸入COPD適応低用量で承認 2011年 07月 02日”で記載のごとく、米国 75mg/日のみ承認なのに、日本では150mg/日という、いまだかつてない用量設定にまごついているのが現状。

厚労省は新薬早期承認の傾向にあるが、
リアルタイムに米国の事情が日本の医薬品統制に反映されないのは相変わらず
そのため、日米の用量が逆転するという不可思議な現象が生じた。

LABA単剤への注意喚起が、喘息だけでなく、COPDへも必要ではないかという意見がFDAでなされたため、専門医ほど処方に慎重な状況である。
一方、COPD単独と言い切れる症例ってのは現実的にどの程度存在するのかという臨床家からの質問に対して、まじめな呼吸器科のリーダーたちもまともには答えられない現状もある。

また、チオトロピウムそのものが安全かというと・・・(スピリーバ・レスピマットの安全性疑惑: メタアナリシス 死亡率52%増加 2011/06/15

そういう中で、インダカテロール vs チオトロピウム という比較研究、結果は、インダカテロールが薬効的に優れていそうだとなってるが、臨床現場にそのまま・・・というわけにはいかない。

Blinded 12-week comparison of once-daily indacaterol and tiotropium in COPD
R. Buhl et. al.
Eur Respir J 2011 38:797-803; published ahead of print 2011, doi:10.1183/09031936.00191810

indacaterol 150 μg q.d. (n=797) vs tiotropium 18 μg q.d. (n=801)

・ 12週後、2つの薬剤は包括的“trough” (24 h post-dose) 1秒量は同等
・ インダカテロール治療患者は有意に  transition dyspnoea index (TDI) total score 有意に改善(least squares means 2.01 versus 1.43; p<0.001)
・ インダカテロール治療患者は有意に St George’s Respiratory Questionnaire (SGRQ) total score を改善(least squares means 37.1 versus 39.2; p<0.001; raw mean change from baseline -5.1 versus -3.0)
・エンドポイント時の臨床的明確な改善度まで到達  (indacaterol versus tiotropium odds ratios of 1.49 for TDI and 1.43 for SGRQ, both p<0.001)

副事象イベントは、インダカテロール 39.7%、チオトロピウム 37.2%

最頻副事象はCOPD増悪、咳嗽、鼻咽頭炎




q.d.の意味見間違えてた・・・私

by internalmedicine | 2011-10-21 11:17 | 呼吸器系  

<< COPD:動物モデル チオトロ... 肥満・糖尿病は隣人から感染する... >>