あいかわらず・・・・”血液さらさら”
2004年 12月 02日
長野女子短大と県農協グループの県農村工業研究所などは、リンゴが血液の流れを良くする効果がある―との共同研究結果を・・・・日本ヘモレオロジー(血流)学会で発表
http://www.shinmai.co.jp/news/20041117/mm041117sha9022.htm
”あるある大辞典”の功罪は罪もかなり大きいのでは無かろうか・・・功はメディア・リテラシーを一般国民が真剣に考えるべきであることを提示したことかな
血液通過時間が早ければ、冠動脈疾患・脳卒中などの発症が少ない、寿命が長くなるというエビデンスでもあるのか、まずはそれを調べてからものを言うべきではないか。
そういう検討を行わず
MC-FANの援護射撃をおこなっている公的機関の言い分は、“生活習慣に関するアンケートに基づいて分けた健常者の部分母集団における全血通過時間の分布は虚血性心疾患のリスクファクターを良く反映していることが示された”ので、“毛細血管モデルにおける血流がin vivoとの対応性を十分持っていることを示唆する”というものである。Aというリスク要因が同時に存在しやすいBという要因は、リスクの指標となるという恐ろしい、、科学者とは思えない記載を行っているのである。しかも、この方面を指導すべき立場にありながらである。
反論をするが、
通過時間が短いために、困る臓器もある。たとえば肺の毛細血管である。毛細血管との接触時間が短いと酸素飽和度が低下してしまうのである。
http://www.bioeng.auckland.ac.nz/projects/lung/pulmonary_circulation.php
生体内の血管は血液の粘稠性だけでなく、血管内皮、毛細血管にあっては血管そのものの緊張度取り巻く臓器の血管を圧迫するような緊張度、逆に筋肉にあっては受動的なプールをきたすような毛細血管拡張、それに血管壁との関連でずり応力のような流体力学-生化学的関連などもあるはず・・・
百歩譲ってこの機械がそれを赤血球表面のごく一部の要因を正しく反映しているとしても、生体内への有益性を示しているという証拠はいっさい無い。むしろ有害性の可能性さえ有るのである。こういうことを考えれば、独立行政法人食品総合研究所のおっさんはなにを考えてこういう発言記載をしているのだろう。
日本ヘモレオロジー学会は、ホームページをみればその正体がすぐわかる
http://www.hemorheology.jp/
MC-FANのための学会なのである。
この記者・・・いいところまでいっているのだけど、
この学会=MC-FANというところに気づいないのかわざと皮肉で言っているのか
↓
http://dir.biglobe.ne.jp/col/health/familymedicine/closeup/CU20040810A/
“現在の血液サラサラ・ドロドロ検査では赤血球が<形を変える能力を観察しているだけ”のMC-FANという計測機器を売っている会社が、その日本ヘモレオロジー(血流)学会の暗躍場所であり、黒幕だというのに・・・・
学会というと、公的なもので、私的利益とは無縁を想像する・・・・実態は私的企業の活動そのものであったりする。メディアの方々もだまされないでほしいものだ。メディアこそ そういうのにだまされているのかもしれない。
by internalmedicine | 2004-12-02 14:57 | Quack