慢性非血性水様性下痢の約10%に顕微鏡的大腸炎(in スウェーデン):誤診されていた?
2004年 12月 03日
Microscopic colitis:顕微鏡的(膠原性)大腸炎あるいは顕微鏡的大腸炎は、スウェーデンでの報告では慢性の非血性水様性下痢の約10%にみとめられたとのことです。該当例は多そうですね。他の文献では潰瘍性大腸炎などと同じような頻度との報告があるようです。日本で少ないのは・・・もともとすくないのか・・?
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顕微鏡的大腸炎:誤診されていた?(見逃されていた?の方が正しい)
Microscopic colitis: a missed diagnosis?
The Lancet Volume 364, Number 9450 04 December 2004
http://www.thelancet.com/journal/vol364/iss9450/full/llan.364.9450.review_and_opinion.31392.1
Microscopic colitisとCollagenous colitis、あるいはCollagenous lymphocytic colitisというのは、Ole Nielsenらによるとよりコモンであるかもしれない。
スウェーデンの非出血性下痢住民で、約10%がコロノスコピーにおいて顕微鏡的腸炎を有しており、最初の組織学的検査で見逃されている。
この顕微鏡的腸炎の頻度はCrohn病とほぼ一致している。この疾患の原因は不明だが、内腔・上皮の抗原に対する上皮のpoorな反応性と関連しているかもしれない。
budesonideや次硝酸ビスマスは初期治療に有効であるかもしれない。
消化器や病理学者は診断のため共同作業の必要があり、特に持続性の水様性非血性下痢をともなう老人女性においては、とくにそうである。
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メルク(http://merckmanual.banyu.co.jp/cgi-bin/disphtml.cgi?url=03/s032.html)には顕微鏡的(膠原性)大腸炎あるいは顕微鏡的大腸炎と掲載されてます。
過敏性腸症候群の鑑別診断の中で記載されてます。
ここに 詳細が書かれていました。
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http://www.postgradmed.com/issues/2002/11_02/barto4.htm
“"Microscopic colitis"は非特異的な疾患ではあるが、2つの明らかな範疇からなっている:“collagenous colitis(コラーゲン蓄積大腸炎)とlymphocytic colitis”:慢性の水溶性下痢症が特徴
“Lymphocytic colitis”は上皮内のリンパ球浸潤とコラーゲン蓄積で主に鑑別。1976年、Lindstromが慢性水様性下痢を生じた48歳女性を報告。以降500例が報告。
by internalmedicine | 2004-12-03 14:51 | 消化器