子宮頚癌:LBC(液状化細胞診)スクリーニング システマティック・レビュー

子宮頚癌スクリーニングのためのLiquid Based Cytology(LBC: 液状化細胞診)のレビュー

U.S. Preventive Services Task Force(USPSTF[米国予防医療専門委員会]で用いられているLBCと高リスクHPVスクリーニングのシステマティック・レビュー

結論は、”子宮がん検診に、LBC/通常細胞診を用いることは支持する結果であったが、HPV-enhanced primary screeningとしてはまだエビデンス不充分”というもの

比較的良好から良好な質を担保する研究4つ、14万名あまりでの検討に基づき、LBCは通常の細胞診に比べ感度・特異度とも同等であったという結論。

6つ以上の比較的良好は質の研究で、1回のHPVスクリーニングは細胞診よりCIN3+/CIN2+同定においては感度として良好であったが、特異性を認めない。

2つ以上の比較的良好なRCT(12万名あまり)では、HPV検査が30歳超の婦人ではより多くのCIN grade 3異常の症例検知をもたらした。

4つ以上の比較的良好な診断精索性研究・4つ以上の良好な質のRCTでは、30歳以上の女性において、細胞診単独比較対象でHPV+細胞診は一致した結果を得ず、明らかなHPVスクリーニング単独より良好であるという結果は見いだせなかった。
HPV-enhanced testing strategyのネット・ベネフィットを含むことに関しては不充分

Review
Liquid-Based Cytology and Human Papillomavirus Testing to Screen for Cervical Cancer: A Systematic Review for the U.S. Preventive Services Task Force
First published October 17, 2011 on annals.org.
full text free
http://www.annals.org/content/early/2011/1/14/0003-4819-155-10-201111150-00376.full




Liquid Based Cytologyと免疫組織細胞化学
www.nichirei.co.jp/bio/tamatebako/pdf/tech_01_dr_nemoto.pdf
Liquid Based Cytology(LBC: 液状化細胞診)とは、細胞診における細胞検体処理法の一つである。本法では採取した細胞診検体を分散液(保存液)中で撹拌・分散した後、細胞を回収しスライドガラス上へ薄く転写・塗沫し、固定した後、染色を行い細胞診標本を作製する方法
従来、婦人科細胞診においては、細胞塗沫過程における乾燥による人工産物の発生が細胞像を評価する上で大きな障害となることが指摘されており、また、綿棒などによる細胞採取では、細胞成分の有効利用ができない(細胞成分のロス)ことが問題となっていた。この点に関して、LBC法は採取細胞を液状化することで乾燥を防ぐと共に、特殊な集細胞/転写・塗沫法(現在FDAはフィルター転写法ならびに比重勾配法を認可している)によって効率良く細胞を塗沫することが可能となった。さらに、保存液中で分散することで塗沫細胞の重なりを最小限にすることが可能となり、観察評価に適することが示されている

by internalmedicine | 2011-11-01 11:11 | がん  

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