ニトログリセリン耐性:アセトアルデヒド脱水素酵素活性物Alda-1で、改善の可能性・・・
2011年 11月 08日
ところで、ニトログリセリンの耐性は"ニトログリセリン工場労働者の、 "Monday morning headache" phenomenonやso-called "Monday morning" sudden death などでエピソード化している位有名で、ニトログリセリン持続投与で効果が持続するはずがないことくらいは、循環器科医は知ってるはずなのだが・・・
アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)が、アセトアルデヒドの代謝とニトログリセリンからの一酸化窒素(NO)生成の両方にかかわる。
持続的ニトログリセリン投与は、aldehyde dehydrogenase 2 (ALDH2)不活化により、ニトログリセリン耐性をもたらす。心筋梗塞においてこの酵素は心臓保護に必須。
ニトログリセリン継続使用により、心筋梗塞での心筋障害増加をもたらす可能性を動物実験で示した。
16時間の持続投与にて対照動物に比較して、3日、2週後の心機能の低下、心筋ダメージの増加が示された。ニトログリセリンはin vitroで、ALDH2活性抑制し、その影響は、ALDH2のactivatorである、Alda-1によりブロックされる。Alda-1とニトログリセリンを同時投与すると、心筋梗塞後ラットのニトログリセリンによる心機能低下増加を防止できる。少なくとも、正常の蛋白機能を障害するreactive aldehyde adductの代謝を促進させる。
もし、この動物研究の結果である、ニトログリセリンの耐性が虚血性障害における心機能障害増加を促進し、ALDH2のactivatorであるAlda-1が予防的に働くとしたら、ニトログリセリンによるNO濃度増加を維持しつつ、心機能障害をもたらさない治療に役立つ知見となるのかもしれない。
Cardiovascular Disease
ALDH2 Activator Inhibits Increased Myocardial Infarction Injury by Nitroglycerin Tolerance
Lihan Sun et. al.
Sci Transl Med 2 November 2011: Vol. 3, Issue 107, p. 107
日本人や中国人に多い生まれつき酒に弱い人では、狭心症の治療に用いるニトログリセリンが効きにくい可能性があることがこのほど明らかになった。アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)が、アセトアルデヒドの代謝とニトログリセリンからの一酸化窒素(NO)生成の両方にかかわる
...LDH2にアルコール代謝の能力を大きく減じる変異がある場合、ニトログリセリンに反応しない確率が高くなることを示した。
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/425137.html
亜硝酸剤経皮・貼付剤・徐放剤長期使用・・・日本医療の恥部の一つ
ホクナリンテープ乱用も同様
by internalmedicine | 2011-11-08 14:50 | 動脈硬化/循環器