非弁膜症性心房細動: プラザキサ vs ワーファリン 定量的benefit-harm解析・経済的分析

ダビガトラン(商品名:プラザキサ)は、日循で緊急提言あったように、処方前クレアチニン・クリアランス測定必須の件・死亡例報告、そして、保存性の問題(その後緩和されたが保存に関する注意事項あり)もあり、当初報告されたほど、非専門医が簡単に扱える薬剤ではないことが分かってきた。

非弁膜症性心房細動マネージメントに関わる定量的benefit-harm、経済学的検討

Dabigatran etexilate versus warfarin in management of non-valvular atrial fibrillation in UK context: quantitative benefit-harm and economic analyses
BMJ 2011; 343 doi: 10.1136/bmj.d6333 (Published 31 October 2011)
Cite this as: BMJ 2011;343:bmj.d6333


結論から言えば、ダビガトランは対ワーファリンでbenefit/harm比 プラス効果
positive incremental net benefit 0.094 (95% central range −0.083 ~ 0.267) 、0.146 (−0.029 to 0.322) QALYs
高用量ダビガトランで、94%、低用量ダビガトランで76%の付加的net benefit

経済分析にて、高用量ダビガトランは低用量でdominateで、コスト効果比は、QALY gainedあたり £23 082 (€26 700; $35 800) の対ワーファリンで、ベースラインCHADS2スコア3以上でgood control到達者で特に有効
しかし、良好なINR到達したセンターでは、ダビガトラン150mgはコスト効果的ではなかった。



全体的に見れば、ダビガトランはnet benefitを有する薬剤であり、英国ではコスト効果的。
ただ、INRでまじめにコントロールしているセンターでは優越性は少ないようだ。

by internalmedicine | 2011-11-11 08:53 | 動脈硬化/循環器  

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