抗凝固療法 Bridging問題
2011年 11月 15日
"Bridging" anticoagulation may not be necessary in vast majority of patients
November 13, 2011 Lisa Nainggolan
http://www.theheart.org/article/1309811.do
National Heart, Lung, and Blood Institute (NHLBI)-funded studyが、未回答質問文についてこの分野のエキスパートが、AHA2011科学セッションで回答
多くの情報不足・論理的な矛盾、そして同一ページに万人に伝えるべき情報を提示しがたいことなど、科学的信念無しにbridgingが必要とされる状況ても大多数では不必要で、有害性が有益性を上回る状況にあると述べている。
伝えがたいなど
ワーファリン5日未満中断した軽度・中等度患者での血栓塞栓はまれではない(Garcia DA, Regan S, Henault LE, et al. Risk of thromboembolism with short-term interruption of warfarin therapy. Arch Intern Med 2008; 168:63-69 )と述べている。
一方、bridgingも安全とは言い難い部分があり、多くの出血合併症を生じる。入院期間増加、感染リスク増加までもたらす可能性がある。
・ "bridging in"というのは、ワーファリン服用中の患者を手術前・なんらかの手技施行前に他の抗凝固剤に変えること
・ "bridging out"とは、術後に関すること
・ "full bridging"とは、最強度の抗凝固治療、すなわち、unfractionated heparin静注など
・ "prophylacitc bridging"とは、低分子ヘパリンのような最小限の予防量使用を示す。
これらに関して、Goldhaber は2015年まで結果はでないと述べてる。
明らかにbridging必要でない場合:歯科処置・抜歯(American Dental Associationのガイドライン支持)
さらに、白内障手術はワーファリン治療中断必要ない。多くの眼科医はこれに同調する。コロノスコピー必要な患者ではbridging必要でないが、ただし、条件が整った場合のみこれが適応される。
ACC/AHA 2006では弁膜症性心疾患患者のマネージメントではbridgingを他にリスク要素無ければ機械弁患者でも必要無しとしている。高リスクではbridging要求。
すなわちCHADSスコア3以上。これらではiv unfractionated heparinのオプションを忘れてはならない。
NHLBI studyはongoingで、おそらく、新規薬剤ではbridging不要となるだろうが・・
抗凝固療法患者では、歯科、眼科、内視鏡科との戦いが・・・日々繰り広げられている
by internalmedicine | 2011-11-15 11:59 | 動脈硬化/循環器