毎年のワクチン接種はウィルス特異的CD8陽性細胞の交叉抵抗性を呼び起こす
2011年 11月 17日
インフルエンザ・ワクチンに関する有効性に疑念をもっておらず、この時期に、この話を書くのははばかれるが・・・一応、流れてきた情報なので・・・。そして、”inner proteinへの配慮したワクチン開発が求められる”(http://www.sciencedaily.com/releases/2011/11/111116192801.htm)というポジティブな話も記載する
毎年季節型インフルエンザワクチンをうけていると、killer T細胞へcross-reactiveな影響を与える可能性がある。具体的に言うと、毎年ワクチン接種していると新型インフルエンザのときかえってかかりやすくなるのではないかという懸念が浮き上がってきた。
Annual Vaccination against Influenza Virus Hampers Development of Virus-Specific CD8 T Cell Immunity in Children
J. Virol. November 2011 vol. 85 no. 22 11995-12000
季節性インフルエンザAウィルス感染は、他のサブタイプのパンデミックインフルエンザAウィルスへの免疫も誘導する(heterosubtypic immunity)
季節性インフルエンザワクチンで、インフルエンザA/H5N1ウィルスへのheterosubtypic immunityを誘導することを筆者らは示した。ウィルス特異的CD8+T細胞反応と関連せずに生じる反応。毎年のワクチン接種が推奨されているが、ウィルス特異的CD8+T細胞免疫のインパクトは不明な部分もある。
毎年ワクチン接種するのう胞性線維症のこどもと非ワクチン健康対照の子供でインフルエンザAウィルス特異的細胞・液性免疫を比較。
同様なウィルス特異的CD4+T細胞と抗体反応が見られた。しかし、年齢依存的にウィルス特異的なCD8+T細胞反応が非ワクチン健康成人ではみられたが、のう胞性線維症児では見られなかった。
結論としては、毎年インフルエンザワクチン接種することで季節性インフルエンザへの効果が認められるが、ウィルス特異的CD8+T細胞反応形成の邪魔をする可能性がある。
by internalmedicine | 2011-11-17 11:32 | インフルエンザ