非スタチン治療で、"the lower, the better" コレステロール相関図説明はプチ詐欺
2011年 11月 21日

二次予防(安定冠動脈疾患ベース):プラセボとスタチン介入群を混在したものであることに注意が必要。
原本:Intensive Lipid Lowering with Atorvastatin in Patients with Stable Coronary Disease
N Engl J Med 2005; 352:1425-1435April 7, 2005
プラセボ群だけの相関図を引くと・・・

”二次予防の状況での未治療状況とスタチン治療状況で、コレステロール値による心血管疾患の影響度が異なる”ことが想定できる。
すなわち、治療介入状況によりコレステロール値と心血管系リスク減少の効果は程度が異なる可能性がある。
最近では、一次予防・二次予防に関しては以下の図が良く用いられている。

原著:Statins: can the new generation make an impression? Rosenson RS.
Expert Opin Emerg Drugs. 2004 Nov;9(2):269-79.
この図はスタチン治療という特殊条件の中で、 LDL減少と呼応する心血管合併症・死亡率減少効果をみたものであり、スタチン以外のコレステロール低下薬の宣伝に、上記、図を用いるのはプチ詐欺なのである。
非スタチン系コレステロール治療薬は当然ながら、別の相関図ができあがるはず・・・
CEPT阻害剤:evacetrapib ・・・ 期待できる??? ゼチーアの悪夢 again? 2011年 11月 16日
ARBITER 6-HALTS:徐放ナイアシン製剤のスタチン併用頸動脈IMT退縮効果 vs ゼチーア無残 2009年 11月 16日
ゼチーアは大粒子LDL優位にコレステロールを減らす:故に臨床的効果に結びつかない? 2010年 07月 08日
いきさつから言っても、治験するのなら、徐放ナイアシンやCEPT阻害剤の方と考えるのだけど・・・
by internalmedicine | 2011-11-21 11:16 | 動脈硬化/循環器