環境要素に対し臓器特異的に表現型可塑性を左右するFOXO : 2型糖尿病などの病態へのヒント
2011年 11月 22日
環境要因により臓器毎に感受性があったり、無かったりするメカニズムは不明であった。飢餓状態のような環境的要素でその感受性を調整する要素がわかり、それを調整できれば、たとえば、2型糖尿病などのインスリン感受性低下の病態解明、治療への手がかかりになるだろう・・・という報告らしい。
FOXO Regulates Organ-Specific Phenotypic Plasticity In Drosophila.
Hui Yuan Tang, Martha S. B. Smith-Caldas, Michael V. Driscoll, Samy Salhadar, Alexander W. Shingleton.
PLoS Genetics, 2011; 7 (11): e1002373 DOI: 10.1371/journal.pgen.1002373
phenotypic plasticity・表現型可塑性とは、環境要素により様々な表現型に変化を生み出す単独のgenotypeで、生物学的ユビキタスを示す。可塑性反応の程度を調整する、発達メカニズムについて、あまり知られてない。遠くに、個別徳栄や個体がどうあってもより環境にセンシティブに反応する現象の存在。
筆者らは、表現型可塑性に関わる特に重要な携帯発現調性の発達メカニズムについて明らかにした部分がある。臓器サイズの栄養の影響であり、発達栄養は、インスリンシグナル化経路を通した臓器発達へのシグナル化されたものである。ショウジョウバエの臓器は、発達栄養の反応によりそのサイズが異なり、それは、臓器特異的インスリン感受性も異なるためである。
インスリン感受性がforkhead transcription factor: FOXOのレベルで調整される。これは、栄養・インスリンシグナルが低いときに活動させるnegativeな成長調整因子となる。FOXO発現が臓器的に減少することで、各臓器は低栄養での成長抑制が減弱し、栄養学的可塑性が減少する。FOXO発現は臓器特異的な栄養可塑性・インスリン感受性にとって必要で、臓器がFOXO発現により自立的に応答することとなる。
FOXOは、大きさ、免疫、および長寿発達栄養の変化、ストレス、および酸素レベルの応答のキープレイヤーである。
by internalmedicine | 2011-11-22 08:52 | 糖尿病・肥満