高齢者薬物副作用:救急入院での比率は少ないが、一定薬剤に偏重あり、対策可能と思われる

置き薬とか、OTC販売のために、薬の副作用過剰表現し、老人たちを脅し、薬物アドヒアランスを著しく阻害することが田舎では行われていることに気づいてきた。輪をかけてるのが、ビートたけしなんか野番組で”ほんとは怖い・・・”と薬剤副作用のレアだが重篤なケースを大仰にテレビで報道・・・ 結果的に、エビデンスある医療を阻害する状況。

薬物副作用で、老人が救急入院する発生頻度とはどの程度なのだろうか?そしてその対策は?

Emergency Hospitalizations for Adverse Drug Events in Older Americans
Daniel S. Budnitz et. al.
N Engl J Med 2011; 365:2002-2012November 24, 2011

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抗血栓、抗糖尿病のよりよい治療は、高齢者の副作用イベントによる救急受診を減少させる。
65歳以上の緊急入院は薬剤副作用による場合は少なくない。
一方で、高リスク・不適切薬剤は、緊急入院のわずかであるというNEJMの報告
その中でも、2/3がワーファリン、インスリン、経口抗血小板治療、経口血糖降下薬が2/3をしめる。
2011年のHealthcare Effectiveness Data and Information Setの高リスク高齢者における入院は救急入院の1.2%のみ。不適切Beers-criteria薬物療法を含む入院の半数超がジゴキシン。ジゴキシンを除けば、Beers-criteria薬物療法は入院の3.2%程度の意味合いに過ぎない。

Budnitzらは研究対象期間中の5077の緊急入院、国家的には年9万9628推定 (95% CI 55,531 to 143,724)を検討。入院の半数近く48.1%は80歳以上で、65.7%は非意図的過剰投与。
4剤、4つのクラスが関連しており、コレラの単独或いは組み合わせによる薬剤副事象イベントの67%に相当。
ワーファリンが年33171、入院の33.3%に相当、インスリンは年13854件入院13.9%に相当、経口抗血小板が13263で入院の13.3%に相当、経口血糖降下剤は10656件で、10.7%に相当
これらが、年齢にかかわらず頻度の多い原因である。

保母全例が過剰投与で、ワーファリン 95.1%、インスリン 99.4%、経口血糖降下剤 99.1%



筆者らは、抗血栓、抗糖尿病マネージメント改善で、公衆衛生上の、離床的に有益な、明らかな差のある効果が期待できる。
救急受診の実数過小評価の可能性に注意すべきという指摘


Beers-criteria medication:
The Beers Criteria (or Beers List) is a list of specific medications that are generally considered inappropriate when given to elderly people.
http://en.wikipedia.org/wiki/Beers_Criteria

by internalmedicine | 2011-11-24 10:27 | 医療一般  

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