メディケア・非急性期:冠動脈CT造影はその後の治療介入に影響を及ぼすことが少なく、医療費を膨大化する
2011年 11月 25日
Association of coronary CT angiography or stress testing with subsequent utilization and spending among Medicare beneficiaries.
Shreibati JB, Baker LC, Hlatky MA.
JAMA 2011; 306:2128-2136
後顧的観察コホート研究
Coronary computed
負荷心筋血流シンチ(MPS:stress myocardial perfusion scintigraphy )と比較して、tomography angiography (CCTA) は心臓カテーテル施行尤度増加(22.9% vs 12.1%; adjusted odds ratio [AOR], 2.19 [95% CI, 2.08 to 2.32]; P < .001)、PCI尤度増加(7.8% vs 3.4%; AOR, 2.49 [2.28 to 2.72]; P < .001)、CABG尤度増加(3.7% vs 1.3%; AOR, 3.00 [2.63 to 3.41]; P < .001)。
CCTAはトータルな医療費増加g ($4200 [$3193 to $5267]; P < .001)と関連し、冠動脈性心疾患医療費のほとんどをしめる($4007 [$3256 to $4835]; P < .001)。
MPSに比べ、ストレスエコー(−$4981 [−$4991 to −$4969]; P < .001) 、運動負荷心電図(−$7449 [−$7452 to −$7444]; P < .001)の医療費は少ない。
180日めで、CCTAは同様な全原因死亡率(1.05% vs 1.28%; AOR, 1.11 [0.88 to 1.38]; P = .32)、軽度の急性心筋梗塞入院減少尤度n (0.19% vs 0.43%; AOR, 0.60 [0.37 to 0.98]; P = .04)
非急性期状況でのCCTA施行・メディケア支払い患者では、その後の侵襲的心臓治療に関与することは少なく、ストレステストに比べCAD関連支払いが増大する。
医療費の増加を、単に勤務医の給与v開業医の事業収益で比較するアホな日本の厚生省行政じゃ・・・膨大になる医療費の対策なんて出来ないのだろう。
本来は、CCTAには他に医療放射線被曝の問題もあり、社会的問題として、まともに功利的に考えるべき問題なのだが・・・大規模重装備病院の128列MDCTで検査すればすべての病気が治るみたいなテレビ番組が今日も流れる・・・ こういった検査機器をたくさん納入すれば経団連企業の東芝・日立&商社が確かに儲けられ・・・ネオリベラリストたちが大喜び
公的病院の経営の効率性、終末期医療の医療資源問題、高額医療となりやすい分野でアウトカム重視した社会資源の真の割り振りがなされているか?
たとえば
公立病院のコスト意識のなさ、湯水のように医療費を使っている。レセプトの上位1%が医療費の30%を使っているようだが、それをやっているのは何処か。その中に無駄はないのか。医療の進歩のために本当に必要な費用なのか。という意見に同意したい。
終末医療にも問題が多い。高齢者が救急できた時に、CT検査から人工呼吸器の使用まで、働き盛りの人と同じ基準でやっていいのか、そこにいくら投入されているのか。胃瘻を作るのは誰のためか。本人のためになっている胃瘻がどのくらいあるのか。たたき台にするためにもデータをわかりやすく公表してほしい。
勝手に引用 : http://medg.jp/mt/2011/11/vol325.html
この国の行政に合理性はない・・・ってのは常識になってしまった。
by internalmedicine | 2011-11-25 14:17 | 動脈硬化/循環器