HCV関連血管炎:低用量IL-2治療効果:p-1研究
2011年 12月 01日
Regulatory T-Cell Responses to Low-Dose Interleukin-2 in HCV-Induced Vasculitis
N Engl J Med 2011; 365:2067-2077December 1, 2011
C型肝炎ウィルスによる血管炎患者は、Treg(regulatory T cell)の減少が見られ、HCV改善によりTreg値回復と相関する。
Interleukin-2は、Treg生存・機能促進的に働くが、これがHCV治療抵抗性の血管炎患者にとってベネフィットが認められるか検討したところ、低用量IL-2では副影響とは相関せず、HCV-誘起性血管炎・自己免疫性状況患者の臨床的改善と一致した。
grade1超の副反応イベントなし
治療はeffector T-cell activation、血管炎flare、HCVウィルス血症への影響を伴わず
クリオグロブリン血症10例中9例の減少、血管炎改善10例中8例
低用量IL-2は、CD4+、CD25high、forkhead box P3 (FOXP3+) Tregs [Emax (maximum value)÷baseline value×100=420%] 比率の増加を示し、全患者で活動性減少を示し、marginal-zone B細胞比率の減少を伴った。
末梢血単核球のtranscriptome研究で、IL-2は全般的な炎症やoxidatove stress mediator兆候減少を示した。
Cryoglobulinemic vasculitisが主なようだ。
HCV envelop protein E2,によるBリンパ球上発現CD81 moleculeとの結合がHCV誘起性の自己免疫、リンパ増殖性現象の端緒(http://www.clinexprheumatol.org/article.asp?a=2255)
NEJM論文序文から抜き書きすると、”慢性HCV感染は肝外合併症と関連し、自己免疫系メカニズムと関連。クリオグロブリン血症とその続発病態は感染の強さと関連し、HCV感染患者の40-60%にクリオグロブリンが検出できる。一過性のクリオグロブリン血管炎(or mixed)は5-10%に過ぎない。多くは皮膚、関節、神経、腎臓。軽症臨床徴候から劇症的合併症まで存在する。軽症は紫斑、関節炎で、劇症型は糸球体腎炎、全身性血管炎など。
特定のHLA alleleと感受性の関連も示唆されている。
mixed型は、HCVとリンパ球の相互作用からのようで、B細胞・T細胞の機能を直接modulateし、結果B細胞の活性化、広範化をもたらし、リウマチ因子活性と関連するIgMを生じる。”
血管炎症候群の診療ガイドライン(2006-2007)
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2008_ozaki_h.pdf
by internalmedicine | 2011-12-01 08:23 | 感染症