医療機器との経済的利益がある医師が頼む検査は陽性所見無しが多い
2011年 12月 02日
医師自身が検査機器の経済的利益と関連する場合とない場合は 42% v 23%という比率。
negative scanの差は医師自身が機器を持っている場合は、86%も所見無しスキャン所見
Paxton BE, et al "A case study in lumbar spine MRI and physician self-referral of imaging" RSNA 2011; Abstract SSK08-07.
情報ソース:http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/RSNA/29971
米国では、2/3の金銭が医師へ渡り、32%がradiologistへいく計算になるという。
2名のMPが500名のカルテのレビュー検討結果
経済的にベネフィットを有する医師の場合のオーダー間のnegative studyの増加を報告。
そして、陽性所見あたりの平均病変数に関しては差が無かった。
機器に直接的経済的関連を持つ医師により紹介された患者は、そうでない医師により紹介された患者より若い (平均年齢 49.6 versus 56.9, P<0.0001)
すべてが不必要というわけではないが、経済的関連有無2群間で明らかな差があるのは事実。
自医療機関内に検査機器があると、無駄な検査をやり過ぎになる傾向があるということになる。
だが、逆に、検査機器がない場合はやりなすぎという事態も考えられる。
検査適応スタンダードを確立し、スタンダードから外れた施行基準の目立つ医療機関を公的医療保険から排除すべきだと思うし、CT・MRIなどの共同利用システムが理想と思う。
だだ、利益性追求インセンティブがやはり一定程度は必要。
MDCTなど高額医療機器導入促進的に進む一方の日本、その経済的影響は大きいだけに、合理的な基準形成と公的歯止めが必要と思う。
by internalmedicine | 2011-12-02 08:48 | 医療一般