アメリカ家庭医学会:尿路結石治療予防 ・・・ 日本との対応の違い明らか
2011年 12月 02日
Am Fam Physician. 2011 Dec 1;84(11):1234-1242.
http://www.aafp.org/afp/2011/1201/p1234.html
・腎結石発症率増加、女性・高齢者の増加
・慢性腎臓病との関連
・石の種類:シュウ酸カルシウム、リン酸カルシウム、 シスチン、 struvite [燐酸マグネシウムアンモニウム])、 尿酸石
・石回収できなくても尿pHと24時間尿検査は結石要素に関わる、予防上役立つ情報となる
・プロテアーゼ阻害剤、抗生剤、特定の利尿剤などの薬物が特定の腎結石を増加させるため、患者への情報提供が必要。
・食事療法、薬物療法、栄養摂取管理が予防上手助けになる。肥満はリスク増加させる。しかし、減量は、動物性タンパク摂取が多いこと、緩下剤乱用、除脂肪部分の急激な喪失、水分補給少ない場合など、予防的要素を阻害する可能性もある。
・シュウ酸カルシウム・シスチン・尿酸結石予防のため、尿はフルーツ・野菜、サプリメント、クエン酸、アルカリ性ミネラルウォーターでアルカリ化すべき。
・リン酸カルシウム・struvite結石予防では、酸性化すべき;クランベリージュースやベタインが尿pHを下げる
・鎮痙剤・尿道鏡・代謝に関する検査が、輸液(24時間2L以上・・・経口・生理食塩水注射)とともに、疼痛薬物強化のため使用される。
”尿路結石症 診療ガイドライン(日本泌尿器科学会、日本EE学会、日本尿路結石学会 編集)(http://www.ebm.jp/disease/urinary/03urinary/guide.html)”、”厚生科学研究班編/医療・GL(04年)/ガイドライン”やガイドライン外来診療2009などと異なる。
診断補助としてはまず超音波検査が日本のガイドラインでは書かれている。CTは記載ないかあっても超音波の次。だが、AFPのガイドラインアー、”computed tomography or ultrasonography”と書かれている。CTが他疾患との鑑別に有用ということなのだろう。・・・むしろ米国の方がCT利用を勧めている。
疼痛処置に違いが大きく、AFPは
鎮けい薬としては、”α遮断剤・カルシウム拮抗剤”、疼痛としてオピオイドを使用
だが、日本は、”NSAIDs→非麻薬性鎮痛剤→オピオイド”とブスコパン
日本でも、女性なら、妊娠及び妊娠(子宮外妊娠を含む)関連疾患との鑑別が重要と思う。
by internalmedicine | 2011-12-02 11:55 | 集中・救急医療