ジェネリック薬に関する医療機関側からの考察

リピトール・ジェネリックについてFDAのニュース・リリース
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm281817.htm

リピトール後発品解禁以降、ジェネリックに関する関心が米国では高まっているようだ。その中心の話題は、”availability of generic atorvastatin”。

だが、当局・製薬メーカーからみればこの質問とその答えは簡単すぎるし、時間を費やす意味の無い質問。
(”患者に優しいととなまわる”国内ジェネリック専門メーカーは、このデータさえ出し渋るが・・・論外も良いとこ!)

FDAが認可するジェネリックのスタンダードとは・・”the same high quality, strength, purity and stability”
すなわち、
contain the same active ingredients as the innovator drug(inactive ingredients may vary)
be identical in strength, dosage form, and route of administration
have the same use indications
be bioequivalent
meet the same batch requirements for identity, strength, purity, and quality
be manufactured under the same strict standards of FDA's good manufacturing practice regulations required for innovator products


生物学的同等性に関しては注目が集まるところで有り、そのデータを見せられれば安心となるのだが、当局から認可されてんだから合格してて当然。


問題は、製造過程・製品の長期安定性に関しての問題。原材料の品質が認可後も変更されてないかなどが気になる。これに対して、後発品メーカーは、現場からの疑問にちゃんと答えてない。

医療関係者は、認可時生物学的同等性にだけ気を配るだけでなく、qualityとpurityに常に気をつけなければならない。末端医療関係者には無理な部分だけに、(行政・製品メーカーから距離を置く)第三者機関があればいいのだが・・・


ジェネリック推進と薬価差の矛盾
当局が有効性同等性と安全性を担保するなら、安ければ安いほど良いジェネリック
だが、日本のジェネリック推進は、”薬価差益”により阻害されている。
先発品が100円のとき、ジェネリックは70円程度、卸値が92%程度だから先発品卸は92円、ジェネリックは64.4円で、その差分は先発品8円、後発品5.6円で2.4円ほどの差が出る。医薬品消費税は医療機関が支払うことになるので実際の差は3円、2.1円となる。
薄利多売を目的とする場合この差は大きく・・・ジェネリック推進に反している。

そのため、国はジェネリック比率による補填を行ってるわけだが、結局この補填上限が足かせになっている

ジェネリック製品の価格は米国のように自由競争にしろと!もしくは、独占禁止法にかかる委員会がまともに仕事をすることを期待する・・・共同歩調高値安定に対する対策を勧告するよう指導すべき!

期限切れにより廃棄などを含めれば実際の医療機関取り分はさらに少ない・・・実際には薬価差益なんてほとんどゼロ・・・マスゴミさんたちや情報弱者の人たちは未だにこれを騒いでるらしいが・・・

中医協のアホな人たちが、消費税を無視して議論しているのが嘆かわしい


薬価制度のため、”ジェネリック製品”高止まり・・・この問題にメスを入れる気は無いのか・・・あほ中医協

その中医協はこんなでまをかましてる・・・
■ 薬価乖離率は約8.4% ― 薬価調査速報値 ―

 厚生労働省は12月2日の中医協総会で薬価本調査の速報値を報告し、平均乖離率が前回改定時と同じ約8.4%だったと公表した。厚労省によると、薬剤費全体の削減額は約5000億円になる見通し。2012年度の医療保険制度の医療費を約40兆円とすると医療費ベースで1.25%に当たる。

 投与形態別の乖離率は、内用薬が8.9%、注射薬が7.4%、外用薬が7.6%、歯科用薬剤が1.3%だった。今年9月取引分が対象。

 12年度薬剤費は推計で8兆4000億円。平均乖離率約8.4%に調整幅2%を加味した場合、市場実勢価格に基づく引き下げはマイナス約6.4%の約5400億円となる。ただ、薬価改定時には、市場実勢価格による改定以外にも、不採算品目再算定などの薬価を引き上げるルールと、逆に市場拡大再算定など薬価を引き下げるルールも適用されるため、厚労省は現段階で差し引き400億円程度の引き上げ効果も発生すると見込む。このため薬剤費全体の削減額は約5000億円(薬価ベース約6.0%)程度になる見込み。

●医療材料の乖離率は7.7%

 一方、特定保険医療材料価格調査(材料価格本調査)の平均乖離率は約7.7%だった。5月から9月の取引分で、11月11日までに販売側報告があったものを集計した。

 医療材料の調整幅4%を差し引くと、実質的に3.7%の引き下げに相当する。厚労省は12年度の医療材料費を約1兆円と推計しており、単純計算で約370億円の財源を捻出できる。ただ厚労省は、現時点では医療材料に改定ルールを当てはめた場合の細かい試算を出しておらず、実際の削減額がどの程度になるのか、不透明な要素も残されている。

【メディファクス】




リピトールジェネリックに関して、NEJMで解説がなされている。
Perspective
Generic Atorvastatin and Health Care Costs
Cynthia A. Jackevicius, Pharm.D., Mindy M. Chou, Pharm.D., Joseph S. Ross, M.D., M.H.S., Nilay D. Shah, Ph.D., and Harlan M. Krumholz, M.D.
December 7, 2011 (10.1056/NEJMp1113112

by internalmedicine | 2011-12-05 09:09 | くそ役人  

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