持久運動アスリート:強度運動で 右室では機能障害・構造的変化の可能性あり、左室へは影響ない

Exercise-induced right ventricular dysfunction and structural remodelling in endurance athletes
Eur Heart J (2011) doi: 10.1093/eurheartj/ehr397 First published online: December 6, 2011

強度の持久運動は急性の右室機能障害を生じるが、左室には生じない。
短期的に回復は完全だが、慢性の構造的変化や、右室機能低下は幾分多くのアスリートに残る。
長期的に今後検討が必要。
40名のアスリートをベースライン、持久レース(3-11時間)直後、レース1週間後測定

cTnI、BNP、心臓エコー(3D volume、EF、systolic strain rate)検討
CMR上のDelayed gadolinium enhancement (DGE) を心筋線維化のマーカーとして評価。

レース後、右室容積は増加し、すべての機能測定値は減少。しかし、左室容積は減少し、機能は温存。BNP (13.1 ± 14.0 vs. 25.4 ± 21.4 ng/L, P = 0.003) 、 cTnI (0.01 ± .03 vs. 0.14 ± .17 μg/L, P < 0.0001) はレース後増加し、それはRVEFの減少と相関(r = 0.52, P = 0.001 and r = 0.49, P = 0.002, respectively)、しかしLVEFとは相関せず

RV駆出率はレース時間増加とともに減少(r = −0.501, P < 0.0001) 、 VO2max (r = −0.359, P = 0.011)も減少。

RV機能は1週間でほぼ改善。

CMRにて、 心室中隔に限局したDGE が、より運動暴露の多いアスリートの5/39に認められ、正常CMR例よりRVEF低下 (47.1 ± 5.9 vs. 51.1 ± 3.7%, P = 0.042)



マラソンなどの持久運動選手において、臨床的に右室機能に影響与えているのだろうか?
エディトリアル( Eur Heart J (2011) online: December 6, 2011 )では、"Exercise-induced arrhythmogenic right ventricular cardiomyopathy"について議論がなされている。

by internalmedicine | 2011-12-07 17:25 | 動脈硬化/循環器  

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