ノロウィルスワクチン phase 1/phase 2 study の結果、有望

乳児ロタウイルス・ワクチン(ロタリックス内用液)ってのは、薬剤費用が高く・・・補助がない限り尻込みする人が多いだろう。

ノロウィルス・ワクチン(2010年 11月 27日)で取り上げた、”norovirus viruslike particle (VLP) vaccine (with chitosan and monophosphoryl lipid A as adjuvants) ”

phase 1/phase 2 study ということらしい

Norovirus Vaccine against Experimental Human Norwalk Virus Illness
N Engl J Med 2011; 365:2178-2187December 8, 2011

98名をランダム割り付け ワクチン 50名、 プラシーボ 48名、90名(ワクチン 47名、 プラシーボ 43名)投与

ワクチン後の症状報告で多いのは、 nasal stuffiness, nasal discharge, sneezing
ワクチン・プラシーボを受けた中での副事象イベントは同等
Norwalk virus–specific IgA seroresponse (defined as an increase by a factor of 4 in serum antibody levels)がワクチン群の70%に見られた。
per-protocol analysisではNorwalk virusワクチン接種77/84
ワクチンは有意にNorwalk virus 胃腸炎頻度減少(発症 プラシーボ群 69% vs. ワクチン群 37%, P=0.006) 、Norwalk virus infection (82% of placebo recipients vs. 61% of vaccine recipients, P=0.05)減少。


ウイルス様中空粒子(Virus-like particles: VLP)
NoVの分子生物学的手法を用いた性状解析で最も進展しているのは、ウイルス様中空粒子(Virus-like particles: VLP)の作製とその応用であろう。ORF2の5’末端からORF3を含むゲノム末端までを組換えバキュロウイルスで発現させたところ、大量に産生されたVP1は自己集合し、外観は形態、抗原性、免疫原性の全てにおいてネイティブなウイルス粒子に類似したVLPを形成することが明らかになった4.7。VLPの作製は、ウイルス増殖系の確立されていないNoVの研究にとって、センセーショナルな出来事であった。*様々な種類のVLPが作出され抗原性や粒子の解析が進められ、後述するレセプター候補分子、血液型抗原、の同定にまで至ったのである。
http://www.glycoforum.gr.jp/science/glycomicrobiology/GM02/GM02J.html

by internalmedicine | 2011-12-08 09:48 | 感染症  

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