乗り物酔いなど動揺病管理エビデンス

乗り物酔いの時はトラベルミンなどのジフェンヒドラミンサリチル酸塩(抗ヒスタミン)とジフェンヒドラミンサリチル酸塩(キサンチン系)の合剤が用いられることが多いと思う。欧米でも子供を中心に抗ヒスタミン剤がよく用いられているらしい(http://www.medscape.com/viewarticle/406451_8)。副作用が少なく、効果が長時間であるためらしいが、あくまでも鎮静作用が主作用で、実際、sedation作用、CIS作用の少ない抗ヒスタミン剤では効果が少ない。

以下の解説をみると、薬物治療は、スコポラミンが主体のようだ。副作用について十分注意が必要なようだが、実際、貼付剤はよく用いられているようだ。スプレーなどは・・・OTCなんかになったら怖い薬だと思う(ネットで変な情報が・・・)。日本でも、スコポラミン含有OTC(http://search.jsm-db.info/main2.php で ”スコポラミン”で検索可能)を見かけるが、作用時間が短いことと、認知機能に関する問題や瞳孔への影響など注意点の多く、薬局側での十分な説明が必要だろう。

Managing motion sickness
BMJ 2011; 343 doi: 10.1136/bmj.d7430 (Published 2 December 2011)

・ 乗り物酔い(動揺病:motion sickness)は、日常生活に影響を与える問題で、前庭機能のsensory conflictあるいはミスマッチ
・ 習慣などの行動学的方法によるマネージメントは有効で、副作用が少ないが、おもしろいものでなく、時間がかかる。
・ Hyoscineは経口・経皮パッチとして予防的な方法で有効。hyoscine鼻腔スプレーが乗り物酔い予防として有効
・ 他の薬剤使用を支持するエビデンスは弱い:有効性と副作用のtrade考察
伝統的手法、gingerとかacupressure bandは有効性が証明されてない


Driving Simulator Sickness: An Evidence-Based Review of the Literature
American Journal of Occupational Therapy March/April 2011 vol. 65 no. 2 179-188

by internalmedicine | 2011-12-09 16:22 | 中枢神経  

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