喫煙無既往者長期コホート:大気微細粒子状物質と肺がんの関係 ・・・ 明らかに

環境問題というと、なぜか、温暖化問題だけ、問題にしている日本・・・ 大手メーカーの企業利得になりやすいからなのだろうか?
ppbレベルで問題になっているこの時代、"PPM信仰を打破せよ”という記事を載せる産経! 2009/08/08

これなんぞ、思い出してもはらわたが煮えくりかえる記事・・・ さまざまな学術的報告を無視した非常識な御仁の意見を新聞に掲載し、誤った情報を垂れ流す新聞社の存在

マスメディアによる情報の非対称性として、”メディア・バイオレンス”や”ボクシング有害性問題”とともに当ブログの主要テーマの一つとなってきた。

PM2.5 → 当ブログ内項目


ambient fine particulate matter (PM2.5) air pollution:大気浮遊粒子状物質の急性暴露・慢性的暴露が心血管死亡リスク増加と関わることは多くのエビデンスが集積している。しかし、肺がんとの関連は未だ不明で、特に、先進国、非喫煙者でさほど明らかでない。

Long-term Ambient Fine Particulate Matter Air Pollution and Lung Cancer in a Large Cohort of Never-Smokers
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2011; 184: 1374-1381. First published online October 6, 2011 as doi:10.1164/rccm.201106-1011OC

平均大気PM2.5濃度と肺がんの相関を188699生涯非喫煙者(120万名のCPS-II研究)で検討

26年フォローアップ期間中、総数1100肺がん死

PM2.5 10 μg/m3 増加毎、肺がん死亡率15-27%増加。
PM2.5と肺がん死亡の相関は男女とも、年齢・学歴カテゴリー横断的に同様だが、BMI正常者、登録時慢性肺疾患既往で特に相関性高い (P < 0.05)。


マスメディアの情報だけだと、日本には大気汚染問題が無いかのごとく、全く表に出てこない。
環境問題基礎知識:SPM,PM2.5,PM10,…,さまざまな粒子状物質;新田 裕史
http://www.nies.go.jp/kanko/news/20/20-5/20-5-05.html



PM2.5問題
大気汚染(粒子状物質PM10)と肺がんの関連 2011/10/30
大気汚染:PM2.5、PM10、NO2長期暴露と、卒中発症、心血管疾患死亡との関連 2011/10/03
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大気中微小粒子状物質対策で、住民5ヶ月余命延長 2009/01/22

by internalmedicine | 2011-12-15 15:38 | 呼吸器系  

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