寝る前に降圧剤服用:血圧・臨床的アウトカム改善の可能性:CKD・高血圧患者の検討
2011年 12月 26日
就寝前に降圧剤を服用することで、コストをかけることなく、ドラスティックに、高血圧患者の卒中・心発作リスクを減少させるという報告。
Bedtime Dosing of Antihypertensive Medications Reduces Cardiovascular Risk in CKD
JASN December 1, 2011 vol. 22 no. 12 2313-2321
降圧剤服用の時間により、血圧の概日リズムへ影響を与えるはずだが、臨床的アウトカムへの影響は不明。
CKD患者661名へのランダム割り付け、オープンラベルトライアル
ベースライン・3ヶ月後の48時間持続血圧モニタ-測定補正、そして、最低年1回の検査
5.4年のフォローアップ中央値
就寝前に、降圧剤最低一つ服用患者は、覚醒時全薬剤服用患者に対して、総心血管イベント(死亡・心筋梗塞・狭心症・血管再建術・心不全・下肢動脈閉塞・腎血管閉塞、卒中)補正リスクを1/3ほど減(adjusted HR 0.31; 95% CI 0.21 to 0.46; P < 0.001)
就寝前投与は、心血管死、心筋梗塞、卒中複合アウトカムのリスク減少へも同様の影響 (adjusted HR 0.28; 95% CI 0.13 to 0.61; P < 0.001)
さらに、就寝前服用患者は有意に就寝時血圧を減少させ、持続血圧低下をもたらす (56% versus 45%, P = 0.003)
平均就寝中収縮期5-mmHg減少毎に、フォローアップ中14%の心血管疾患リスク減少と関連 (P < 0.001)
結論:CKD・高血圧患者では、就寝前降圧剤服用により血圧コントロール改善し、心血管リスク減少をもたらす可能性
二重盲検ランダム化トライアルではない、薬剤クラスの検討が記載されてない・・・など報告からの解釈に限界があるが、示唆的な報告である。
モーニング・サージ、早朝高血圧対策のためには確かに就寝前服用というのは合理的なのかもしれないが、ARBをはじめとして、最近の薬剤は、Smoothness Indexから考えて服薬時期関係有るのかという疑問も残る。また、降圧利尿剤などを就寝前に飲めば・・・睡眠障害を引き起こすのでは?・・・故に、薬剤種類の検討は必須だろう。
by internalmedicine | 2011-12-26 10:28 | 動脈硬化/循環器