我が国の、周回遅れ感染性胃腸炎医療行政

ノロなど感染性胃腸炎が急増-感染研
医療介護CBニュース 12月27日(火)14時35分配信

こういう報道の季節になった・・・ 文面の”ノロなどの”という文言・・・気になる。
野呂さんの指摘されたこと(「ノロって呼ばないで」 野呂さん、ウイルス改称訴え)だけではなく、ノロウィルスと特定できないのに・・・ノロが主体であるかのごとき報道についてでもある。

他の感染症も同様だが、ロタウィルスやノロウィルス感染に関して、学校・保育園や就労事業者から、検査を求められることがある。 最近、”ノロウィルス保険”なるものがあり、集団感染外に関して、医療保険じゃない損害賠償保険契約上の誤解から個別問い合わせがある(これに関しては、基本的には食中毒に関する保険取り扱いの誤解がほとんどだと思う。)

現時点で、POCT (Point of Care Testing)の体外診断:迅速診断
・ロタウィルスに関しては、健保適用 e.g. ディップスティック '栄研'ロタ 、 ラピッドテスタ®ロタ・アデノ、 BD Rota/Adeno エグザマン™ スティック 、イムノカードST ロタウイルス など
・ノロウィルスに関しては、健保適用外 ( 小児科学会からの要望事項の一つ )e.g. 「クイックナビ™‐ノロ」 


感染性胃腸炎を起こす2つのウィルスに関して、公的医療保険上の取り扱いが異なるため、誤解が生じやすい状況にある。ノロウィルス感染チェックを行った場合、混合診療扱いになり、善意で行った医療機関が詐欺扱いされることもありえる。

ロタウィルス、ノロウィルスに関して、現時点で、特異的治療法がない以上、外来医療などで意義があるのか? 効用解析、コスト・ベネフィット的考察が必要だと思う。


世界的には、ロタウィルスに対するユニバーサルワクチンが普及し、ノロウィルス感染が問題になってきているという記載。成人例での弧発例・流行例への認識は比較的新しい。年間2100万人、食事由来で550万人という米国の報告に関わらず。
公衆衛生上のとりくみとして、CaliciNet があり、流行早期発見のツールとして用いられているとのこと。
astrovirus、 sapovirus、 Aichi virusというのも下痢疾患として記述されつつある。
現時点では、ノロウィルに関しては、ワクチンの早期開発とともに、流行の早期発見、対策を行うことが重要。
Emerging Infectious Diesease
Volume 17, Number 8—August 2011
Perspective
Control and Prevention of Viral Gastroenteritis



日本の急性胃腸炎の医療の現状・・・ 米国に比べて周回遅れということが分かるだろう・・・
・ロタウィルスに対するユニバーサルワクチン導入の遅れ
・ロタウィルス・ユニバーサルワクチン前提なら、むしろ、ロタウィルスPOCTより、ノロウィルスPOCTの方が重要。


Norovirus: Technical Fact Sheet
http://www.cdc.gov/ncidod/dvrd/revb/gastro/norovirus-factsheet.htm
“Kaplan Criteria” in outbreaks
These criteria are as follows: 1) a mean (or median) illness duration of 12 to 60 hours, 2) a mean (or median) incubation period of 24 to 48 hours, 3) more than 50% of people with vomiting, and 4) no bacterial agent found.




CDC GUIDELINE FOR THE PREVENTION AND CONTROL OF NOROVIRUS GASTROENTERITIS OUTBREAKS IN HEALTHCARE SETTINGS
http://www.cdc.gov/hicpac/pdf/norovirus/Norovirus-Guideline-2011.pdf




腸管感染症でアデノウィルス咽頭部ぬぐい液検査意味があるのだろうか? 2006年 07月 08日



こんな劣性行政やってても、厚生労働省って偉そうなんですよ・・・

by internalmedicine | 2011-12-28 09:24 | 感染症  

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