乳がんリスク:赤ワインと白ワインの差 ・・・ 赤ワインのテストステロン高値・結合蛋白増加

Shufelt C, et al "Red versus white wine as a nutritional aromatase inhibitor in premenopausal women" J Womens Health 2011; DOI:10.1089/jwh.2011.3001.

乳がんリスクはアルコール飲料量に依存して増加する。しかし、赤ワインでこのリスク増加があるか議論のあるところ。
Aromatase inhibitor (AI)は、アンドロゲンからエストロゲンへの変換を防止し、これは自然に武道、ブドウジュース、赤ワインに含まれるが、白ワインには含まれない。
36名の所英(平均年齢[SD], 36[8]歳)の交差デザイン研究で、閉経後女性に於ける栄養的AIの検査。8オンス(237mL)/日連日の量で、赤ワインから白ワインは1ヶ月間、これを交代する。
赤ワインは白ワインに比較し、遊離テストステロン増加 mean difference 0.64 pg/mL [0.2 SE], p=0.009) 、 SHBG(sex hormone binding globulin)低下(平均差 -5.0 nmol/L [1.9 SE], p=0.007)。
estradiol (E2)値は、白ワインに比較し、赤ワインで低値だが、統計学的有意差無し。
LH は有意に赤ワインで高値 (mean difference 2.3 mIU/mL [1.3 SE], p=0.027)。しかし、FSHは低下せず。

赤ワイン飲酒は白ワイン飲酒に比べ、遊離テストステロン高値、SHBG低下をもたらす。
このことから乳がんリスク減少を説明出来るのではないか・・・という結論。

これって、
・ 非飲酒者との比較がなされてない
・ 乳がんという特定の疾患だけを対象に考察してるが、女性においては排卵障害、多毛、肥満などの高テストステロン状態との関連性、男性に於ける男性ホルモン依存的な前立腺癌など片方のリスク考察が結論にない。

by internalmedicine | 2012-01-07 09:16 | 環境問題

 

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