肺炎などの急性感染症後心筋梗塞や脳卒中が増える
2004年 12月 16日
ということだそうです。
急性感染症の場合は、心筋梗塞・卒中のリスクも患者・家族に説明しなければならなくなりました。
炎症と心血管イベントの話は以前から盛んですが、慢性の感染症ばかりに目が向いてました。よりインパクトの高い急性感染症の場合の影響をかんがえるのも当然だったのでしょうね。
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Risk of Myocardial Infarction and Stroke after Acute Infection or Vaccination
http://content.nejm.org/cgi/content/short/351/25/2611
NEJM Volume 351:2611-2618 December 16, 2004 Number 25
インフルエンザワクチンを受けた20486名の初回心筋梗塞患者と19063名の初回卒中患者
インフルエンザ・破傷風・肺炎球菌ワクチン後の心筋梗塞、卒中のリスク増加なし
しかし、全身性に及ぶ呼吸器感染症や3日以内の診断後に発生リスクが高い。
(心筋梗塞発生比率 4.95 :95%CI 4.43 to 5.53; 卒中 3.19 :95%CI2.81 - 3.62)
数週後次第にリスクは減少。
尿路感染診断後有意にリスク増加するが、程度は少ない。
再発性の心筋梗塞・卒中でも最初のイベント後と同様の傾向がある。
動物モデルで動脈硬化の促進因子として全身性の炎症や感染症があげられており、炎症性マーカーとしてのCRPなどが心血管イベントリスクの予後推定として用いられている。
しかし、全身性の炎症は一定ではなく、感染や他の炎症前刺激などのリスク増加と関連する可能性がある。実際、炎症性マーカーは急性血管イベントのアウトカムを予測する事として使われている。白血球数増加は短期的な卒中のリスク増加と関連、いくつかの研究では心筋梗塞後のリスクの一過性の増加が示唆されていた。
急性の炎症は心血管イベントと関連するメカニズムは明確ではないが、血管内皮機能との関係がかんがえられる。通常のリスク要因や実験的モデルでは血管内皮由来の血管拡張を抑制する可能性がかんがえられる。
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by internalmedicine | 2004-12-16 10:59 | 感染症