被包化胸水は腔毎に性状が違う
2004年 12月 16日
葉間裂内で、あるいは、臓側胸膜と胸壁・横隔膜・縦隔に隣接した壁側胸膜との内部に、臓側胸膜の間に、被包化されたあるいは嚢胞状となった胸水が存在し、胸水が分離して存在することがあります。
被包化胸水間での性状が同じだったら問題ないのですが、それぞれの被包化された胸水毎に性状が違う可能性があるようです。
Diagnostically Significant Variations in Pleural Fluid pH in Loculated Parapneumonic Effusions
Chest. 2004;126:2022-2024.
http://www.chestjournal.org/cgi/content/abstract/126/6/2022
【結果】7名中の患者の被包化胸水毎の外観、pH、LDHの有意な相違が見られた。
ドレナージの適応があるかの閾値であるpH 7.2超過か以下かの違いが7名中3名であった。
【結論】肺炎随伴性被包化胸水毎の違いを初めて報告。この違いは臨床的に重要で、感染性胸水に見られるアシドーシスに呼応するメカニズムに焦点を当てるもの。
臨床家はドレナージ決定上、臨床所見や単にpHのみでの臨床決定する場合に注意すべきである。
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どうもよくわからないのですが、もともと被包化胸水だけで、ドレナージの適応があるという記載もあるのですが・・・
ドレナージの適応:pH<7.2、グラム染色陽性、被包化胸水
http://www.postgradmed.com/issues/1999/05_01_99/rubins.htm
被包化されたところの胸水を別々にとるってのもねぇ・・結構リスクがあるんですが
by internalmedicine | 2004-12-16 12:13 | 呼吸器系