COPD急性増悪時非侵襲的人工呼吸:NIPPVの10年間の変遷
2012年 01月 16日
Obstructive Pulmonary Disease in the United States, 1998-2008
Divay Chandra, Jason A. Stamm, Brian Taylor, Rose Mary Ramos, Lewis
Satterwhite, Jerry A. Krishnan, David Mannino, Frank C. Sciurba, and
Fernando Holguin
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2012;185 152-159
http://ajrccm.atsjournals.org/cgi/content/abstract/185/2/152?etoc
Healthcare Cost and Utilization Project's Nationwide Inpatient Sample
COPD急性増悪時のNIPPV使用パターンとアウトカム評価(1998-2008)
急性増悪751万1267入院推定
1998年から2008年にかけて、NIPPV使用は462%増加(全入院の1.0%→4.5%)、侵襲性人工呼吸(IMV)は42%減少(全入院の6.0%→3.5%)という変化
NIPPVからIMVへの変更を余儀なくされた患者コホートのサイズは増加している
この群の入院死亡率は時と共に悪化が見られる。
2008年までに、死亡率高く29.3%で、IMVを直接行った患者似比べ61%ほどの死亡オッズが高い (95% 信頼区間, 24–109%)、NPPV単独治療に比べ 677% 死亡オッズが孝い (95%信頼区間, 475–948%)
NIPPV→IMVへ変遷した患者を除外すれば、院内死亡アウトカムは良好で、年毎に改善している。
結論としては、NIPPVは急性増悪時入院患者にて有意に経年的に増加。一方、挿管・入院死亡率は減少。
しかし、非侵襲的人工呼吸治療後侵襲的人工呼吸必要となった患者数は少数だが、次第に増加しており、今後の検討が必要。
COPD急性増悪、即、NIPPVというわけにはいけない・・・のだろう。
NIPPVを行う施設・被施行患者が拡大したことで、侵襲的人工呼吸を最初からすべきだった例もNIPPVされたケースもあったのかもしれないし・・・NIPPV導入がうまくいかない間に、病勢留められなかった可能性もある。
NPPVの恩恵をかなり受けている臨床の現場としては、気になる一群である。
by internalmedicine | 2012-01-16 09:55 | 呼吸器系