“メリークリスマス冠動脈・新年あけおめ心臓発作”現象 と 長期休日と癌死数

休日と死亡に関する論文2つが つづけて発表されました。
なんらかのアクションが背後にあったのでしょうか?


米国のお話ですが、年末・年始の休日により心臓や非心臓疾患でも、死亡率の増加が見られるそうです。

“メリークリスマス冠動脈・新年あけましておめでとう心臓発作”現象
The "Merry Christmas Coronary" and "Happy New Year Heart Attack" Phenomenon
http://circ.ahajournals.org/cgi/content/abstract/110/25/3781
Circulation. 2004;110:3781-3788.

心臓、非心臓疾患にとって、クリスマス・新年休暇中の、休日死亡率の急峻な増加が見られる。トレンドや季節で補正後も急峻な増加はみられ、とくにDOA(心肺停止状態)の受診、ERでの死亡、外来患者としての死亡に関しては特にめだつ。

関連無しと仮定した状況に比較して、休暇期間のグループ解析では、心疾患 4.65%((±0.30%; 95% CI, 4.06% to 5.24%)、非心疾患 4.99% (±0.42%; 95% CI, 4.17% to 5.81%

DOA、ERでの死亡、外来での死亡はクリスマスと新年時が2つのピーク

心疾患、非心疾患に限らず休暇期間の超過死亡は時間が長くなるほど影響が大きい

【結論】クリスマス・新年休暇は心・非心疾患死亡のリスク要因となる。
休日由来の治療delayが2峰性のスパイクを生じることと説明できる。









医学文献や報道で癌死を含む、メジャーな休日やイベントを過ごすため、個人で一時的に延命処置がなされている可能性が報道されているが、その結果や影響は様々。
で、どうなのかというと、癌による死亡に関しては関連性がなかった。

Holidays, Birthdays, and Postponement of Cancer Death
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/292/24/3012?etoc
JAMA. 2004;292:3012-3016.

クリスマスの前、感謝祭前、個人の誕生日前の週の癌死比率は有意差無し。(P = .52, .26, .06)
黒人の間では感謝祭前の癌死増加が見られ (P = .01)、女性では誕生日前の癌死増加が見られた(P = .05)。
どのサブグループでも、癌死亡では、休日後の超過死亡の増加は見られない。



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一見、2つの相反する見解ですが、

休日でも医療機関へのアクセスの確保が必要

入院した後は休日だろうが、死亡へ影響をあたえない、医療上の都合の調整はありえない関係ないということでしょうか?

by internalmedicine | 2004-12-22 16:09 | 医学  

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