後発品(ゾロ)の問題点

後発品をつかえば、何でも良いのような、CMがながれてますし、官邸サイドでも利用促進をうながしてますが、いろいろ問題があります。議論もまともになされず、官邸、お役人主導で、一方的に流れがいくのが、この国の悪いところです。

あまり、皆さん、問題点を主張されないようなので、わたしが主張致します。


2年ほど前、地域医師会で後発品の講演会をしました。そのとき後発品メーカー
側に公開質問という形で前座で発表をいたしました。 そのときの話しでは、オレンジブックに載ったら、はい、これで溶出試験OKといことで、定期的サンプリングなどもなされず品質管理は・・・ってのが一般の後発品メーカーということでした。ましてやバイオアビリティーなんかは・・・

その場に居合わせた医療関係者の結論としては、メーカーの信頼性と薬価を天秤
にかけてということになった気がします。


さて、その後、ますます、大手後発品メーカーの製品は、先発との価格差が少な
くなり、また差益も少なくなりつつあり、薬局・医療機関は割高となります。

たとえば、ある薬剤の後発は薬価19.50円で、納入価格16.5円ですが、
先発は薬価126.20円、納入価格113.58円です。当方の調剤薬局が後
発を仕入れたがらない理由はこの差額です。在庫損することはないので、安定的
にでている薬剤ですので、後発品へのインセンティブは働かないようです。


検討をくわえて、疑問点・主張を整理してみました。
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1)臨床試験についてはよほどのことがない限り、後発品会社では行われない。
後発品は先発品と同じ成分で、同じ血中濃度曲線を描き、同じように溶け出せば、
心配はないというが、溶出試験だけでいいのか?そのサンプル抽出は全商品から
のサンプルなのか?また、溶出試験性能の維持・管理システムは万全なのか。

2)情報提供などなきに等しく、かつ、自社開発してないから情報自信も持てな
いのではないか? また、情報提供に関して義務づけがなされてないのではない
か。
 「副作用のデータに関してほしい情報があれば、先発メーカーに聞いたらいい
と思います。」<
)なんてのは言語道断。

 //ファミリーマートで買った唐揚げ弁当がまずいとローソンに文句をいうよう
なもんですが。VA*Oが壊れやすいからといって松下電器に・・(^^;)//

3)先発品に比べ、低コスト生産でなければならない。バルク(*バルクとは、
最終製品を製造するための原体のこと)供給と生産ラインのコストと製品の質の
確保・維持安定に関わるこコストをまかなわなければならないはず。最後の製品
の質に関わる担保がえられるのか。

4)一般に製品寿命が短い。薬価改正にともない、卸値参照ということで、薬価
が決まるため、製品の寿命は1年~2年といのが一般的であり、比較的長寿な後
発品は高値安定となってしまう。後発品を利用する理由は価格なのであり、相対
的に高値安定の後発品は魅力を失ってしまっている。故に、一般的に製品寿命が
短い。これは使用する側からすると、不安が伴う。薬価改正ごとに薬剤を変更す
るのが通例となる。患者への混乱をもたらし、製品への信用性が低下する。

5)1つの薬剤としてみれば後発品が価格的にやすくなるのは当然だが、種類と
してみれば疑問となる。

たとえば、
CURVES studyによれば、リピトール(Atrovastatin)は他のスタチンよりmg比
較では強力で、Atrovastatin 10mgに対し、メバロチン(Pravastatin) 40mg、
ローコール(Fluvastatin) 40mg、リポバス(Simvasatin) 40mg、lovastatin
(もうすぐ発売?) 40mg。
参照

これをもとに真の対効果比を出すと、リピトールがかなり優れている。
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薬剤名 薬価(円) リピトール10mg換算の価格(円)
リピトール錠5mg 87.2 174.4 174.4
リピトール錠10mg 168 168

メバロチン細粒0.5% 91.8 734.4
メバロチン錠5 84.8 678.4
メバロチン細粒1% 170.7 682.8
メバロチン錠10mg 163.5 654

プラバスタチンNa錠5mg「アメル」 67.8 542.4
プラバスタチンNa錠10mg「アメル」 130.8 523.2
プラバスタチンNa錠5「KN」5mg 67.8 542.4
プラバスタチンNa錠10「KN」10mg 130.8 523.2
プラバスタチンナトリウム錠「陽進」5mg 67.8 542.4
プラバスタチンナトリウム錠「陽進」10mg 130.8 523.2

リポバス錠10 351.9 1407.6
リポバス錠20 678.5 1357
リポバス錠5mg 182.5 1460

シンバスタチン錠5mg「アメル」 146 1168
シンバスタチン錠5「MEEK」5mg 146 1168
シンバスタチン錠5mg「OHARA」 146 1168
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6)後発品大手が卸値を上げ始めている。先発品並、それ以上の卸値を要求して
きている。
93%で卸したとして、先発品薬価A円、後発品薬価B円とすると、
医療機関での管理維持のために利用できる差額はそれぞれ(1-0.93)×A円、
(1-0.93)B円なのだが、もともとB=0.7×A程度なので、0.07×(A-B)円
の損ということになる。
厚労省が卸値を参照して薬価を決めるいうことをやめないかぎりこの矛盾は克服
されない。後発品特例をつくるべき

by internalmedicine | 2004-04-10 10:20 | 医療一般  

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