“かぜ症候群”という症候群・病名の存在理由なんてない

わたしは “かぜ症候群”という症候群・病名の存在理由がわかりません。
かぜ=“普通感冒”という考えでなく、なぜ かぜ=“かぜ症候群”なんでしょう?




かぜ症候群の病型の話しになるとますます訳がわからなくなります。

http://www.nms.co.jp/cold/kaze3.htm


これだとSARSさえ“かぜ症候群”という解釈も生まれますし・・!!!

専門家がかかれていると思いますが、定義も病名の範囲も、微妙にことなるようです。

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・種々の病因によって起こる上気道の急性カタル性炎症を一括したもの

http://bme.ahs.kitasato-u.ac.jp/qrs/imd/imd00073.html



・口、鼻から肺までの空気の通り道である呼吸器が、微生物や寒さの刺激を受けたことにより、さまざまな反応を起こした状態(急性炎症)

http://www.med.or.jp/chishiki/kaze/001.html




・通常「かぜ」といわれている「普通感冒(かんぼう)」や「インフルエンザ」など7つの病気を総称

http://www.city.takahashi.okayama.jp/ka/syoubou/3/3mametisiki/3kaze.htm



・インフルエンザは、インフルエンザウイルスを病原とする気道感染症であるが、個体や社会に対する影響の重大性から「一般のかぜ症候群」とは分けて考えるべき疾患である。

http://idsc.nih.go.jp/kansen/k01_g3/k01_44.html

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「インフルエンザ」「普通感冒」「咽頭炎」「咽頭結膜炎」「クループ」「気管支炎」「異型肺炎」「肺炎」などが含まれていると考えるのが一般的で私が学生時代からならったのもこれでした。

これでは、“かぜ症候群”は、肺炎・異型肺炎までも意味する名称で、いまはやりのSARSさえ、かぜ症候群に含まれてしまいます。マイコプラズマ,クラミジア,レジオネラ肺炎,Coxiella burnetti によるQ熱”と致命率の高いオウム病・レジオネラ肺炎まで“かぜ症候群”です




“普通感冒”=“種々の病因によって起こる上気道の急性カタル性炎症”と考え、インフルエンザや異型肺炎、肺炎を最初から区別して考えるべきだと思うのです。

かぜ=抗生剤投与という誤解もこういうところからも派生しているのではないかとおもうのうですが・・



A型・E型肝炎でも、上気道炎症状あるいは下気道症状が出現する場合は、なぜ、この病型分類に入らなかったのか?

咽頭痛を来すHIVや伝染性単核球症が咽頭炎としてしか病型分類されないにもかかわらず、クループは病型に入っている。また、postnasal drip現象を生じる副鼻腔疾患が病型に入っていないなど、とてもじゃないけど“医学的病名”と思えないいい加減です。



かぜ“症候群”ということばを常用すべき用語ではない
というのは以前からの持説です。



(私のWebの再掲です)

by internalmedicine | 2005-01-19 10:11 | 呼吸器系  

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