毎年おなじみの抗生剤パンフレット



毎年似たようなことで怒るのですが、今年は趣旨替えして、冷静にMRさんのもってくる宣伝ツールを分析することにします。

#ツールを作成するのは本社であろう。ゆえに営業サイドに文句を言っても仕方がない。

今年もMRさんがとんでもない記載のあるパンフレットをもってきました。
さる大学教授と感染症の専門家である開業されている先生の対談記事です。

一文を紹介すると・・・
かぜ症候群で一番厄介なのは、咳や痰ですが、マクロライドはそれらをよく改善します。ですから、患者さんにもとても好評です。他覚所見をみると、今一歩かなと思っても、自覚症状はとてもよくなっている。これがマクロライド、特にクラリスロマイシンの魅力で、抗菌作用とは別の「何かよいことを期待させてくれる薬剤]という印象を待っています。”。
毎年おなじみの抗生剤パンフレット_a0007242_1113135.jpg

わざわざ、 黄色のマーカーで印を付けてきてます。


““かぜ症候群”という症候群・病名の存在理由なんてない”
http://intmed.exblog.jp/1562015/
を再掲した理由は、この“かぜ症候群”という病名のいい加減さで、抗生剤使用を誘発する可能性があるからです。なぜなら、下気道感染症に対する抗生剤使用は一部議論はあるが慣用的・寛容的であるため、上気道炎との混乱を生じ(させ?)、抗生剤使用をミスリードする可能性があるのです。

上記パンフレットの内容はまさにそれです。

国際的にも
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最近10年抗生剤抵抗性がUSにて増加し、多くの専門家たちは入院・外来での抗生剤適正使用に関してadovoacteしてきている。
http://www.annals.org/cgi/content/full/138/7/525
Changing Use of Antibiotics in Community-Based Outpatient Practice, 1991–1999
Annals of Internal Medicine 1 April 2003 Volume 138 Issue 7 Pages 525-533
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国内的にも

成人の急性上気道炎(かぜ症候群)の治療指針
http://www.jrs.or.jp/quicklink/glsm/guideline/seijinkido/
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1)ウイルス性上気道炎をまず他の重症疾患としっかりと区別する.
2)ウィルス性上気道炎による来院を最小限にし、抗菌薬投与を減らし、かつ不適切な投薬や薬物の過剰投与を減らす.
3)有効な自宅療法についての患者、家族の知識を増やし、抗菌薬治療に対する患者、家族の誤った期待感を是正させる.さらにはウィルス性上気道炎で診療所や病院へ来院する理由とその適否について、正しく判断するための患者教育用器材や治療法選択のガイドラインを整備する.
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と、抗生剤適正使用をうながしています。


座談会という形式にしたのは、個人的見解といういいわけができるからだろうと思います。座談会ですから、根拠を示す必要もなく、だれからも査読されることもない。また論文引用される心配もない。逆に言えば言いたい放題。しかも国立大学教授の方は非科学的内容に関してはうなづくだけにとどめている(よくできた台本の存在の可能性)。

薬品会社と権威有る先生方にとくに自省・自制をもとめたい。

by internalmedicine | 2005-01-19 10:58 | 医療一般  

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