①アルダクトン拮抗剤②非アルコール性脂肪肝疾患 ③カルジオリピン抗体
2004年 04月 13日
以下の内容に興味がある人がそういるとは思えませんが・・
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①アルダクトン拮抗剤も軽症高血圧の第一選択薬候補
②下垂体機能低下の合併症として重要な非アルコール性脂肪肝疾患
③カルジオリピン抗体はSLE・血栓イベント先行性に存在し、予後を推測できる
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①アルダクトン拮抗剤も軽症高血圧の第一選択薬候補
エプレレノン eplerenone【別名】SC-66110; epoxymexrenon
Medline Plus
Efficacy of eplerenone versus enalapril as monotherapy in systemic hypertension American Journal of Cardiology 15 April 2004, Volume 93, Issue 8 Pages 990-996
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eplerenoneとACE阻害剤であるenalaprilを比較したもの。軽症の高血圧患者対象。
eplerenone vs enalapril
6ヶ月後:
収縮期血圧減少: −14.5 mm Hg vs −12.7 mm Hg; P = 0.199
拡張期血圧減少: −11.2 mm Hg vs −11.3 mm Hg; P = 0.910
12ヶ月後:
−16.5/−13.3 mm Hg vs −14.8/−14.1 mm Hg ; P = 0.251 and 0.331
6ヶ月間単剤治療で約2/3血圧正常化
ベースラインから存在するアルブミン尿症は両薬剤とも改善 (−61.5% vs −25.7%; P = 0.01)。←eplerenoneの方が改善?
耐用性は両薬剤ともよく、eplerenone群では性的な副作用なかった。enalaprilは咳嗽多い。K値は増加したが、1%未満。
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②内分泌の疾患はなにが死因になるんだというと、実は、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)や非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)が結構からんでいるらしい。脂肪肝というのは日本ではエコー検診の時結構ひっかかり、GPT上昇の中でウィルス性疾患精査はよくするけどこの関係はあまり考慮されてなかったなど、最近注目の疾患でありますが、これってかなり死に関わる重要な病態という認識がかわって、いろいろ新たな知見が出てきております。
低下垂体機能症候群・下垂体機能不全の非アルコール性脂肪肝疾患
Nonalcoholic fatty liver disease among patients with hypothalamic and pituitary dysfunction HEPATOLOGY 2004;39:909-914.)
低下垂体機能症候群が進展すると、中心性肥満や糖尿病を有するmetabolic syndromeと類似する。低下垂体機能症候群・下垂体機能不全、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)の関連について
NAFLDは 低下垂体機能症候群・下垂体機能不全診断後6.4 ± 7.5 年 (中央値 3年)で、多くは血糖高値、脂質代謝異常がNAFLD診断までにみられる。 10名生検し、6名が肝硬変、2名がNASH with fibrosis(繊維化を伴う非アルコール性脂肪肝炎)、2名が単純性脂肪肝。18名が長期フォロー、2名が肝移植必要となった。6名が死亡し、2名が肝疾患関連死。
③全身性エリテマトーデス(SLE)・あるいは血栓性イベント先行性のカルジオリピン抗体の存在
http://www3.interscience.wiley.com/cgi-bin/abstract/107642801/ABSTRACT
Arthritis & Rheumatism Volume 50, Issue 4 , Pages 1226 - 1232
24名(18.5%)がSLEの診断に先行してIgG・IgM aCLが陽性。抗カルジオリピン抗体がSLE診断に先行して7.6年前から現れ、平均3年で出現する。
aCLは病早期で認められ、重症の予後を類推しているようであり、他の患者のクライテリア4.9にくらべ 平均6.1でありる。aCLの早期出現は腎障害、CNS、血小板減少、凝固イベントと関連。aCLが血栓性イベントの3.1年先行
結論としてはSLEにおける抗カリジオリピン抗体は血栓性イベントの数年先行する。抗リン脂質は様々な、重症な臨床経過を予測しているように思える。
抗カルジオリピン抗体
ループスアンチコアグラント(LA)
全身性エリテマトーデスの臨床的発症前の自己抗体形成 N Engl J Med 2003; 349 : 1526 - 33
自己抗体は,大抵,SLE と診断される何年も前から存在している.さらに,SLE 患者では,患者がまだ無症候のあいだに予測可能な経過で自己抗体が出現し,SLE 発症前に特定の自己抗体が進行性で蓄積する.
by internalmedicine | 2004-04-13 11:42 | 動脈硬化/循環器