喫煙による家庭内ラドン濃度増加が肺癌の一原因・・・・から派生してラドン温泉て無駄じゃん


本来は、喫煙による家庭内ラドン濃度が肺癌発生と関連という論文です
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肺癌と家庭内のラドン濃度の関係

Radon in homes and risk of lung cancer: collaborative analysis of individual data from 13 European case-control studies
http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/full/bmj;330/7485/223
BMJ 2005;330:223 (29 January)
自然に産生されたラドンの産物の自家暴露は肺癌のリスク、とくに喫煙者と直近まで喫煙者である人にとって特にそのリスクがある。13の症例対照研究のメタアナリシスで、7148名の肺癌患者を対象としたもの。肺癌のリスクは100 Bq/m3あたり16%の増加。線形の用量反応相関が見られたが明らかな閾値はみとめられない。
家庭内のラドンは肺癌死亡9%、癌死亡の2%に寄与している。
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すでにメタアナリシスができるほど多くの論文があるということですが、ちょっと今回は違う切り口に・・・しよう。



室内中のラドン濃度
“European case-control studies of residential radon and lung cancer”
http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/full/330/7485/223/TBL1
1キュリーは 3.7×10^10 ベクレル ということをふまえて平均ラドン濃度:97と104 Bq/m3→2.62pCi/Lと2.81pCi/L(変換参考:http://www.remnet.jp/lecture/words2003/02054.html



わたしは、もともとホルミシス(http://mext-atm.jst.go.jp/atomica/09020103_1.html)というのに疑問を感じているのですが・・・

それなので、わざと・・・


“吸入療法では空気中ラドン濃度が5-8マッヘ(=68500-109600Bq/立方メートル)程度必要である”と、上記論文をみれば、ものすごい量のことが触れられてます。
http://mext-atm.jst.go.jp/atomica/09020710_1.html




そして、ラドン温泉推奨サイト(なんと・・・“go.jp”)の屋内ラドン濃度とpCi/l
http://www.jnc.go.jp/park/q-a/horumisisu/ho14.html
の説明は非常に微量のラドンをhormisisの根拠としてあげてますが・・これって今回の論文をみればあほちゃうのぉってなもんですね。

これを今回の用量曲線(http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/full/330/7485/223/FIG1)と比較のため同一画面にすると、スケールがあまりにちがうことに気がつきます。
喫煙による家庭内ラドン濃度増加が肺癌の一原因・・・・から派生してラドン温泉て無駄じゃん_a0007242_16163933.jpg


故に、この記述のラドン濃度はきわめて少ないこれに従えばわざわざ温泉に行かなくても自宅で十分ラドンは吸えます。そして、前述のURLの濃度にすれば極端な大量濃度を吸入しなければならない・・・これだと有害性が否定できない。
結局、ラドン温泉の有益性・無害性を支持する論文がない、むしろ無益か有害と思われるとなります。単なる風呂か温泉でいいじゃないかということで有馬温泉?

by internalmedicine | 2005-01-28 16:17 | Quack  

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