COX2阻害剤・・・日本への影響は・・・

医薬品のネガティブな情報はだまってると一線の医師のところにはなかなか届きません。同系統の薬剤に問題があったとしても当方の薬剤には関係ない・・・という態度というか・・さわらぬ・・・ということで、に不利になる情報は自分で見つけないといけないと私は思う・・・という趣旨のことを明日どこぞの学会で話すのだけどぉ・・・

SSRI関連(http://intmed.exblog.jp/1460683/ http://intmed.exblog.jp/1361572/ )とCOX2阻害剤が興味ある題材なので・・・ずっとフォローしてます。

Vioxxは日本では治験中止(http://www.banyu.co.jp/company/news/2004/mk966.html)の情報程度。

ですが、日本でも
―――――――――――――――――――――――
COX2選択性を宣伝している薬剤
エトドラク:Etodolac(ハイペン,オステラック)
ナブメトン:Nabumetone(レリフェン)

いまのところ唯一のCOX2阻害剤
メロキシカム:Meloxicam(モービック)
―――――――――――――――――――――――
以上の薬剤があるとおもうのですが、まだ、製薬会社からの情報は今のところないようです。
今でもCOX2選択性を自慢して販売に回っている会社もありますし・・
整形外科などにはいっているのかわかりませんが・・おそらく、自剤との関連がないということで、動かいてないのでは・・・


どうも、COX-2阻害剤ごとに心血管リスクはだいぶ異なるようです。
これは以前記載してます。
   ↓
――――――――――――――――――――――――――――――――
鎮痛剤(NSAIDs)と心不全(啓蒙^H^H発が必要) : Cox2阻害剤の心不全への影響は薬剤により異なる
http://intmed.exblog.jp/348675/
――――――――――――――――――――――――――――――――


ただ、比較対照がばらばらで、recall biasというのもかかるようで、ほんとにどうかもう少し正確な判断は考慮が必要。

Ann Int Medで、あらためてほぼ同様の内容が記載
 ↓
Patients Exposed to Rofecoxib and Celecoxib Have Different Odds of Nonfatal Myocardial Infarction
http://www.acponline.org/journals/annals/myo_infar.htm
Ann Int Med. 1 February 2005 Volume 142 Issue 3
――――――――――――――――――――――――――――――――
心筋梗塞の補正オッズ比は
NSAIDS使用してない対照に比べ
・celecoxib:0.43 (95% CI, 0.23 to 0.79)
・rofecoxib:1.16 (CI, 0.70 to 1.93)

rofecoxibはcelecoxibに比べ統計学的にMIオッズが高い(adjusted odds ratio for rofecoxib vs. celecoxib, 2.72 [CI, 1.24 to 5.95]; P = 0.01)

非選択性NSAIDsは被致死的MIの減少と相関

非選択性NSAIDsと比較してCOX-2は:
rofecoxib vs naproxen:オッズ比3.39 [CI, 1.37 to 8.40]
celecoxib vs (ibupurofen or diclofenac:0.77[CI, 0.40 to 1.48])
――――――――――――――――――――――――――――――――




オーストラリアのAdverse Drug Reactions Advisory Committee (ADRAC)
http://www.tga.gov.au/adr/adrac.htm
が、厚労省のウェブで紹介されていた
――――――――――――――――――――――――――――――――
TGAは,すべてのNSAIDsおよび慢性使用が承認されているいくつかの選択的COX-2阻害剤〔[ Celebrex ](celecoxib); [ Arcoxia ](etoricoxib) ; [ Prexige ](lumiracoxib); [ Mobic ](meloxicam); [ Valdyne ]( valdecoxib)〕の販売業者に対し,心血管の安全性の長期データを要請している。Celecoxibに関しては,ADRACはrofecoxibに比較してリスクが低いことを示すエビデンスがあることに注目しており,これは最近の研究によって支持されている。しかし,celecoxibに関する適切な期間の研究が待たれる。
ADRACは,COX-2阻害剤の安全性のレビューが完了するまで,celecoxibを含むCOX-2阻害剤は,心血管事象のリスクは増大すると認識する方が賢明であることを勧告する。
http://66.102.7.104/search?q=cache:LmAS-BM2ZkEJ:www.nihs.go.jp/dig/sireport/weekly2/24041222.pdf+Meloxicam+myocardial&hl=ja&lr=lang_ja&client=firefox-a


[参考文献]
FDA Public Health Advisory: Safety of Vioxx, 30 Sep 2004. Internet
http://www.fda.gov/cder/drug/infopage/vioxx/PHA_vioxx.htm (15 Nov 2004)

Lancet. Internet
http://image.thelancet.com/extras/04art10237web.pdf

Risk of acute myocardial infarction and sudden cardiac death in patients treated with COX-2 selective and non-selective NSAIDs, 30 Sep 2004, Internet:
http://www.fda.gov/cder/drug/infopage/vioxx/vioxxgraham.pdf

――――――――――――――――――――――――――――――――

by internalmedicine | 2005-01-29 11:57 | 内科全般  

<< 閉塞型無呼吸症候群医療に対する... 喫煙による家庭内ラドン濃度増加... >>