受動喫煙有害性のあらたなる論文2つ

いまだに、平山文献を批判するだけで、受動喫煙有害説破れたり!などというウェブで主張しているところがまだあります

最近、受動喫煙の質の高い研究結果が出てきているようですので、その多くの研究を批判された方がそろそろいいと思われます。なぜなら、個々の論文批判は 個々の論文批判にしか終わりませんので・・・この辺は、アンチ・ワクチングループへもいえることです。


環境的喫煙の暴露は、非喫煙者・10年以上禁煙を続けている人のガンを含む呼吸器疾患のリスク要因である。人口50万人地域での123479名の非喫煙者の症例対照研究で他施設EPICコホートnested studyで、Vineisらは (http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/full/bmj;330/7486/277)、肺癌・喉頭癌・咽頭癌、COPDや肺気腫との有意な相関


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IARC(International Agency for Research on Cancer :http://www.iarc.fr/)のワーキンググループで、疫学的エビデンスを評価し、環境的喫煙をgroup I(ヒト発ガン性あり)とした。
しかし、正確な潜在的寄与や影響修飾因子などの情報があるものは少ない。
大規模ヨーロッパ予防的調査(EPIC:European prospective investigation into cancer and nutrition)からのデータを利用して、評価したもの。

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Environmental tobacco smoke and risk of respiratory cancer and chronic obstructive pulmonary disease in former smokers and never smokers in the EPIC prospective study
BMJ 2005;330:277 (5 February)
http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/full/bmj;330/7486/277
7年以上フォローアップ、新規診断:97肺癌、20上気道癌(喉頭・咽頭)、COPD・肺気腫死亡14名
全コホート被爆環境的喫煙は

すべての呼吸器疾患でハザード比 1.30 95%CI 0.87-1.95
肺癌だけでは 1.34:95%CI 0.85-2.13

nested case-control studyでは
全呼吸器疾患でオッズ比:1.20 95%CI 1.02-2.82
肺癌だけでは 1.76 95%CI 0.96-3.23

コチニン濃度は明らかに自己報告環境被爆と相関(3.30, 95%CI 2.07-5.23,するが、呼吸器疾患や肺癌のリスクとは相関なし。
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“コチニン濃度は肺癌のリスクと相関しなかった。このことは、コチニン濃度をタバコの暴露の生化学的指標とすることに限界があることが以前からの報告で知られている。コチニンは24時間以内の暴露の指標であり、長期間の暴露を評価するよりは直近の暴露をしる指標である。”
引用らしい→International Agency for Research on Cancer. IARC monographs on the evaluation of carcinogenic risks to humans. Vol 83. Lyons: International Agency for Research on Cancer (in press).


McGheeらは(http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/full/bmj;330/7486/287)
間接喫煙と卒中・COPD・肺癌・虚血性心疾患・全原因死亡率の用量依存的な関連をしめした。


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Mortality associated with passive smoking in Hong Kong
BMJ 2005;330:287-288 (5 February)
http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/full/bmj;330/7486/287
図譜:http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/full/330/7486/287/TBL1





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いつも思うのですが、受動喫煙の害の代償は、どなたに支払って頂ければよろしいのでしょう。
JT?、国家?、喫煙者?


国はタバコ関連で2兆円ほど収入を得てます。健康被害は別途健康保険で徴収してまかなわさせてます。その額が1兆3千億円。税金は一般財源として使われ、間接的には3千億円ほど健康保険へ。この差額は本来、はた迷惑な喫煙行為の被害者に向けられるべき金銭だと私は思うのですが・・・。
飲食店などでタバコを垂れ流す喫煙者をみると、衣服へのにおいなどの具体的なものや心理的不快感を与えていることの代償は、たばこ税ではまだまだ少なすぎると思うですが・・
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ところで、この論文、7年コホートとなのですが、小児期の受動喫煙に関する研究は、後顧的であるはず・・・hazardの概念とあわないのではないか?結果として、小児期の受動喫煙は可逆性ではなく、ハザードリスクに影響を及ぼすほど後年に継続的に影響を及ぼすということなのでしょうか?

オッズで計算し直してみます。
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受動喫煙有害性のあらたなる論文2つ_a0007242_11204474.jpg

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これだと、やはり関連あるのだろうか・・・有意差が無くなってしまう。過去のexposureをハザードリスクでもとめることになんか合点がいかないのだが・・・

インパクトは0.001288281(1000人に1名の癌を発生:7年コホート)と無視できない数字だと思いますが、ただし、これが有意なのかというと、やや疑問が残ることになります。

子供のころの喫煙暴露に関してはまだ納得ができません。 

by internalmedicine | 2005-02-04 14:30 | 医療一般  

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