COPD患者・・・戸外アクティビティーとの関係
2005年 02月 22日
COPDの患者さんは、在宅酸素療法の有無にかかわらず、労作性呼吸困難だけでなく、予後はアクティビティーの低下進行と関連が深いのです。戸外へ患者さんをさそう医療行政施策がなくて、なんの医療といえるのか?・・・と、以下の論文から考えた次第です
Exacerbations and Time Spent Outdoors in Chronic Obstructive Pulmonary Disease
http://ajrccm.atsjournals.org/cgi/content/abstract/171/5/446
COPD患者は、その時間的スケール・急性悪化への寄与度は不明だが、徐々に活動性の減少を伴っている。147名(101名の男性,88.5歳平均年齢、%FEV138.4%)の参加コホートを中央値1044日(4分位 685-1779日)で8年フォロー
毎日の呼吸器症状の増加、戸外で過ごす時間の時間の記録をしてもらった
St. George's Respiratory Questionnaireを毎年検討。
1464回の悪化と-0.16時間/年の戸外時間の減少があった。
頻回な急性悪化事例でこの減少が早い。
悪化前に、屋内に終日いる平均は週2.1日(自宅で34.1%d)、だが、急性悪化後5週間は2.5/週自宅ですごす(p<0.001)
St. George's total activity impact scoreは独立して戸外の時間と相関(p<0.005)だが、症状スコアは相関しない。
【結論】屋外で過ごす時間は時とともに減少し、急性悪化で減少。
頻回の急性悪化を有する患者はhouseboundとなりやすく、リハビリテーションプログラムでこれを目標とする必要性がある。
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介護保険や医療保険の正しい使い方は、保険費用を適正配分し、結果的に、QOL改善し、トータルコストの費用軽減効果が有ればさらによろしいとなるとおもうのですが、日本の介護保険・医療保険行政ではこういう科学的な調査がなされず、単なる思いつき行政、結果、いびつな医薬行政がなされてます。
在宅酸素療法患者の介護保険でのケア時間はわずかで、かつ、施設介護のケア時間で推定されている一次判定ソフトをほったらかし・・・これでは正確な判定ができるはずがない。役人に聞けば、介護保険は、脳血管疾患・認知症・整形外科疾患の保険であると・・・開き直りが多く聞けます。
by internalmedicine | 2005-02-22 10:17 | 呼吸器系