メチル化DNAを利用した大腸癌検診の品質


バーチャル内視鏡は役立たない?
の続きです。

便潜血(FOBA)の感度:30-50%です。 引用
要するに見落とし率が70-50%というわけです。
これでも、13年フォローアップで、直腸結腸癌の死亡率を33%と下げられるのですから、さらに見落とし率の低い検診。できれば安くで、しんどくない検診が望まれます。

癌のDNAの特性を利用した便の検査の報告があります。


直腸結腸癌で91%(71-99%)の感度、腺腫で82%(48-98%)、特異度93%(76-99%)とい
う早期の結果。他の研究では3つのマーカーで、51例の直腸結腸癌で感度
71%(56-83%)。
ソース
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昨日オンラインで発表されたLancetに以下の記載がありました。
Methylation changes in faecal DNA: a marker for colorectal cancer screening?
Lancet

DNAメチル化は直腸結腸癌のよくある分子上の変化。直腸結腸癌患者から便中の
DNAを検討。別々のセットで便中DNAのMethyLight analysis。SFRP2メチル
化をsensitive single DNA-based markerとして同定。
トレーニングセットでsensitivity 90% [CI 56-100] and specificity 77% [46-95]
独立したテストセットでensitivity 77% [46-95] and specificity 77% [46-95]

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これでも見逃し率1-3割の可能性があるわけですが、死亡率改善には寄与することとなります。

自宅検診がネット上はやっているようですが、この感度、見逃し率=100%-感度を明示しているサイトは非常に少ないようです。どの程度の見逃しがあるのかを考えた上で、検診を受けた方がよろしいと思います。

by internalmedicine | 2004-04-17 10:34 | 消化器  

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