PTSDについて・・・

また、PTSDが話題になっております・・・

一度
『精神疾患はつくられる──DSM診断の罠』 という本を読まれることをおすすめします。

補償と保険がらみや製薬会社の思惑で、科学的根拠なしの部分があり、恣意的に決められており、それに関係する人たちにいいように利用されている側面もあるとのことです。

BMJでは「ホモセクシュアルが以前疾病とされ、無駄な治療、電気ショックを含む行動介入治療、ホルモン治療、精神分析などが行われ、結果的に患者のIdentity、社会的位置づけにネガティブな影響を与えた。結局誰もその治療から利益を得ることもなく、社会からの隔離、恥といった感覚を彼らに与えただけであった。
モラルや社会性だけで医学的診断を人間の状況にラベルすることは有害なことである。」とかかれております。

以下の太字、引用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
DSMは、社会的価値観と、政治的妥協と、科学的証拠と、そして保険請求用の病名のごった煮が入った大鍋である。

PTSDの長い歴史は、DSMの短所を数多く物語る。

「診断名をつけることが被害者にとってはかえってあだになる。なぜなら彼らは外傷の後遺症に苦しんでいるのだ。さまざまな困難を抱え、できる限り支援していく必要はあるけれども、精神障害を抱える人はほとんどなく、PTSDに陥っている人はさらに少ないことが実証されている。

PTSDは普通の人々の不運な出来事の影響を定めるレッテルになったのである。これは、破局的な出来事に対する正常な反応をも、しばしば精神障害であると解釈されてしまうことを意味する。さらに、援助を受けるためには、どれほど「病気なのか」を示さなければならない。



PTSDは本来の目的に合致しているのでしょう、損害賠償責任などの司法上の判断に用いられることが多くなりました。しかしながら、疾患概念と法律を結びつける上の問題点があり、現時点では、PTSDの診断は本人の陳述のみによっているため、そのような問題が生じるのは仕方のないなどと流ちょうなことをいっていてよいのだろうか?
器質的脳障害を認めるかどうか?客観性を担保できる診断基準が必要なのではなかろうか?

「急性ストレス障害」というものもPTSDにされ、冒頭の書籍にも、若者が親を自分の教育が悪いから自分が駄目になったと逆恨み的事例も報告されている。
ほかの病気と同様、専門医に正しく判断してもらうことが重要であり、身勝手な素人判断は危険であり、まだまだ途上的な診断といわざるえないと思う。

by internalmedicine | 2004-04-18 23:53 | 医学  

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