御用記事:介護保険の「要支援」、車いすや介護ベッドは対象外に ”を読んで
2004年 04月 19日
#新聞社のを引用する時は緊張します。著作権にうるさくて・・
これなんかは提灯記事です。なぜなら、介護保険の収支が非常に厳しくなり、なんらかの格好でサービスを減らそうとして、その事例探しに躍起です。
もともと制度自体にむりがあるんだからやめればいいのに、以前は医療費の中の2割程度でなされていたものが、それ自体がふくれあがっていくばかりですし
で、何が問題かというと、「要支援」と「要介護1」にサービス上の大きな差をつけようとするわけですが、実は厚労省の判定基準ソフトでは、自立・要支援・要介護1の判別不能だからです。
それと、仮に“要支援”から車いすをはずすということがどういうことか、お役人さんたちはわかっておりません。たとえば、脊柱管狭窄症や動脈硬化性動脈狭窄症の患者さんで、間欠性跛行という症状があります。これがひどくなると自分で何とか立ち上がれますし、数メートルは大丈夫でも先は歩行困難となり、かなり時間がかかります。このような人たちは数百メートル先の買い物に行くことは現実的には困難です。
聞き取り調査などでは支援になる程度だと思いますが、自立的に日常生活を送るためには車いすが必要です。その自立性を奪おうとしているわけですから、真にその根拠を公表する必要があるのです。
こういう事例を無視して、“介護保険事業者などが介護度が低い人にも積極的に利用を勧めていることが増加の一因”という根拠を明示する義務があります。
住宅改修業者の問題のほうがわたしたちの目に余るものがあるのです。
住宅改修に関しては保険者の方で専門家を育成して、利用者どうしの不公平をなくすることが重要です。
年金方式・保険方式は、今後負担増がかなり高齢者にのしかかり、負担できない人たちが急増することが予想され、破綻は時間の問題です。本来こういった福祉・障害事業にはそぐわないという意見の方がまともに思えます。介護保険導入を決めたときの朝日新聞論壇では緊急性があるし、財源確保できないから、という理由で年金・保険方式を勧めております。いまとなれば、消費税アップと口が裂けてもいえないというだけ(朝日新聞はじめみながそうでしたから)で、保険方式が進行してしまったわけです。今後、障害者福祉の方も保険制度となるようですが、いづれ破綻します。年少者への障害福祉は保険にそぐいません。なぜなら、先天的なもの、それから、保険納付期間が短すぎるわけですし・・・不公平感が噴出してきます。
介護保険と障害者施策を強引とも思えるほど進めています。保険制度は国にとって都合が良く(財源確保が比較的容易で国民を表層的に納得させやすい、保険者である市町村への強引な指導だけでなりたつ、あらたな天下り先の確保が容易など)です。
医療・介護・福祉は国民の基本的人権です。こういうものが保険制度で運用されていること自体問題であるということを自覚すべきです。
by internalmedicine | 2004-04-19 12:08 | 医療一般