なにー! 検尿を初診時スクリーニングは推奨されてないだとぉ・・・
2005年 03月 22日
というのが、日本の医療機関の常識だと思ってましたが、どうも、AFPをみると、検尿一般を、妊娠可能性のある女性以外の初診時スクリーニングとして用いるのは一般的ではないどころか、推奨されないと・・・
わたしは、やはり非侵襲的で、かつ情報量の多い検尿は必須だと思う。
高齢者の糖尿病患者の増加、若年者でもインスリン依存型糖尿病やケトアシドーシスなどの否定は臨床上重要と思うし、無症候性のたんぱく尿をみつけることは意義があるし、子供の腎症を早期にみつけるには有益なはず、高血圧患者が2-4割になる外来では尿たんぱくの有無が薬剤第一選択に関わってくるし、・・・どうも合点がいかない・・・アメリカの家庭医学会の記事であった。
↓
(Am Fam Physician 2005;71:1153-62.
Copyrightc 2005 American Academy of Family Physicians.)
─────────────────────────────────────────────────────
徹底した尿検査には物理的・化学的検査・顕微鏡的検査を含んでいます。
中間尿採取が一般的に受け入れられ、2時間以内に検査されなければならないとされている。
混濁尿は多くの場合アルカリ尿でリン酸塩結晶によるもので、膿尿の原因でにありえる。
強い芳香は、尿路感染症ではなく尿濃縮の結果かもしれない。
Dipstick尿検査は便利です。しかし、無病誤診と有病誤診を生じる場合がある。
比重は、患者の脱水の程度の信頼できる評価を提供します。
顕微鏡的血尿は良性から、生命危機をもたらす病気まで範囲が広い。顕微鏡的血尿は他の成分で、糸球体性、腎性、尿路性かを鑑別できることがある。
単純性野尿路感染は白血球エステラーゼ・亜硝酸塩テストにより診断され、培養なしに治療可能である。
──────────────────────────────────
dipstick3+以上なら蛋白尿が有意で、更なる検査が必要(B)
顕微鏡的血尿(少なくとも3回検体中の2検体に3つ以上の赤血球存在の場合)は腎性・尿路系疾患を除外するため検討されなければならない(C)
運動誘発性血尿は比較的commonであり、self-limitedであり、良性である。48-72時間後の繰り返しの検査の結果で、さらなる検査が不要となる(C)
A = consistent, good-quality patient-oriented evidence; B = inconsistent or limited-quality patient-oriented evidence; C = consensus, disease-oriented evidence, usual practice, opinion, or case series.
See page 1046 for more information.
─────────────────────────────────
混濁:リン酸塩尿、膿尿、乳び尿、脂肪尿、hyperoxaluria:プリン体を多く含む食事(hyperuricosuria)に多い
茶色:胆汁色素・ミオグロビン:空豆の種、larodopa、メトロニダゾール、nitrofurantoin、いくつかの抗マラリア薬剤
茶-黒:胆汁色素、メラニン、メトヘモグロビン:カスカラ、levodopa、methyldopa、センナ
緑あるいは黒:シュードモナス尿路感染、biliverdin:amitriptyline、インジゴカルミン、cimetidine IV、promethazine IV、メチレンブルー、triamterene
オレンジ:胆汁色素:phenothiazines、phenazopyridine
赤:血尿、ヘモグロビン尿、ミオグロビン尿、ポルフィリア:ビート、blackberries、ダイオウ、Phenolphthalein, rifampin (Rifadin)
黄色:尿濃縮:ニンジン、カスカラ
検尿はcalculiや、UTI、悪性腫瘍のような泌尿器科疾患の診断には価値がない。
腎障害をきたすような全身性疾患の存在を医師に警告を与えることになる。
妊娠の可能性のある女性を除いて、ルーチンに検査することを推奨しないが、医師は検尿結果をいかに解釈するかを知るべきである。
─────────────────────────────────
当方の意図と全く無関係のTrackbackは不愉快ですねぇ(H17.8.15)
アンチ予防接種グループに関してはかなり疑念を当方持っております・・・・
by internalmedicine | 2005-03-22 16:52 | 医療一般